カブアンドの仕組みとリスクを解説!本当にお得?未公開株の魅力と注意点とは?
(出典 news.biglobe.ne.jp)

カブアンドは、前澤友作氏が設立した新しいライフインフラ系サービスです。

生活必需品である電気、ガス、モバイル通信、インターネット回線といったインフラサービスに契約することで、その利用料金に応じた未公開株が付与されるというユニークな仕組みを持っています。

このサービスは「利用しながら株をもらい、株主としても参加する」という投資機会を提供し、生活インフラに新しい価値を提供することを目的としています。

また、カブアンドのサービスは、インフラ契約だけでなく、ウォーターサーバーやふるさと納税といった他の分野にも広がっており、様々な生活シーンに対応しています。

前澤氏が以前から目指してきた「より豊かで自由な生活をサポートする」という理念の延長線上にある試みといえるでしょう。

しかし、多くの人々は「株がもらえるなら得だが、実際のコストが割高になるのでは?」と不安を抱くのも事実です。

この記事では、カブアンドのサービスの仕組みとメリット・デメリット、そして日本人の現状維持志向がカブアンドの普及に与える影響について詳しく解説していきます。

サービスの本質と利用者にとっての実質的なメリットがどれだけあるのかを、料金面も含めて冷静に検証していきます。

1. カブアンドの仕組みとは?

カブアンドの最大の特徴は、生活インフラの契約によって未公開株を得られる仕組みにあります。

一般的なインフラサービスでは、電気やガス、モバイル通信、インターネット回線といった生活必需品を契約し、利用料金を支払うだけです。

しかし、カブアンドは契約者に対し、その利用料金の一部を未公開株として還元するという、新しいサービスモデルを提案しています。

具体的には、ユーザーがカブアンド経由で電気やガス、モバイル通信などのインフラサービスを契約すると、その利用額に応じた株がカブアンドから付与されます。

これにより、ただインフラを利用するだけでなく、契約者は「株主」としてもカブアンドの一員となり、将来的にはその株が公開されることで、利益が得られる可能性が生まれます。

カブアンド

提供開始:2024年11月20日
対象サービス:電気、ガス、モバイル通信、ネット回線、ウォーターサーバー、ふるさと納税
還元内容:利用額に応じて未公開株(劣後株式)がもらえる15

対象となるサービス

カブアンドで契約できるサービスには、次のようなインフラや関連サービスがあります:

  • 電気・ガス:基本的なエネルギー供給サービス
  • モバイル通信:スマートフォンや携帯電話の通信回線
  • インターネット回線:光回線や家庭用インターネット接続
  • ウォーターサーバー:飲料水の供給
  • ふるさと納税:地方自治体への寄付と返礼品の提供

株付与の仕組み

カブアンドが株を付与する方法には、利用金額に応じた還元という形がとられています。

これは、たとえば月々の電気料金が数千円の家庭であっても、その支払い額に比例して少しずつ株が付与される仕組みです。

ユーザーにとっては、利用料金の支払いが実質的に「投資」となり、株主としての立場も得ることで、サービスの成長を自分ごととして楽しむ要素が含まれています。

サービスの狙いと前澤氏の意図

この仕組みは、前澤氏の「新しい経済モデルを作りたい」という意欲が背景にあります。

彼の理念に基づき、カブアンドは一般家庭に向けて「株式投資を日常の一部にする」という形で金融リテラシーの向上や資産形成を促す狙いを持っています。

株を持つことで、ただの消費者ではなく「サービスの一部を持つ立場」として、長期的にサービスと関わりを持ち続けることが期待されています。

このようにカブアンドは、従来のインフラサービスにはない「株主としての権利」や「投資感覚」を生活インフラに融合させることで、利用者の関心を引こうとしています。

2. 料金比較:カブアンドと既存サービス

カブアンドの提供するインフラサービスが、他の既存のインフラサービスに比べて本当に「お得」かどうかは、多くの人が気にするポイントです。

特に、電気やガス、モバイル通信といったインフラは月々の固定費用であり、たとえわずかな差でも年間を通じて大きな違いとなります。

ここでは、カブアンドの料金体系が他社と比べて競争力があるか、さらに「株がもらえる」というメリットをどう評価すべきかについて検証していきます。

カブアンドの料金体系

カブアンドのインフラサービスの料金は、地域やプランによって異なるため一概に比較するのは難しいものの、多くのケースで大手のインフラプロバイダー(例えば東京電力やNTTなど)と同程度、もしくはやや割高な設定があるようです。

割高である分、株式付与によるリターンを見込むことができるため、純粋な「インフラコスト」としては割安感がない場合もあります。

料金差を株式付与で補えるか

例えば、毎月の電気代が約8,000円かかる家庭を想定してみます。

この場合、カブアンドから株を得ることで、仮に年間で10株付与されるとします。

もしカブアンドが上場して一株あたり2,000円の価値が付いた場合、年間で20,000円分のリターンを得る可能性が出てきます。

しかし、上場や株価の成長は確実なものではなく、将来的にこのリターンがどれほどの価値を持つかは不透明です。

一方で、一般の家庭用インフラと比較した場合、カブアンドのサービスが高めの料金設定であるならば、その差額が株価成長による利益を上回るリスクも考えられます。

結果として、短期的には株をもらえるというインセンティブを加味しても、他社のサービスより総支出が多くなるケースもあるでしょう。

実際に安くなるのか、割高になるのか

カブアンドの「株をもらえる」という仕組みは魅力的ですが、それが実質的な「割安」になるかどうかは、サービス利用料と株の価値次第です。

例えば、他社よりも年間で数千円高いと仮定した場合、株式付与による将来的なリターンがその差額を埋めるかは不確実です。

逆に、株の成長があれば大きなリターンを得ることもできるため、利用者の期待や投資スタンスが試されるポイントでもあります。

経済的にどう見えるか

このように、カブアンドのサービスは一般的な料金プランと異なり、「株式の将来価値」という要素を含んでいます。

これは単純な料金比較を難しくしていますが、株価が成長した場合には、株の付与が大きな価値となる可能性があります。

利用者は、株価成長のリスクとリターンを考慮して、カブアンドの料金設定と自分のニーズに合った選択をすることが重要です。

3. 日本人の現状維持志向とカブアンドの普及可能性

日本人の多くは、生活インフラのような「毎月の安定した支出」を担うサービスに対して、リスクを避け現状維持を好む傾向が強いとされています。

これは、特にインフラサービスのように生活の基盤を支えるものには顕著です。

カブアンドのように株付与を通じて投資感覚を取り入れるサービスは新しい試みですが、これが本当に日本の一般家庭に受け入れられるかどうかにはいくつかの課題がありそうです。

日本人の現状維持志向とインフラ選び

日本では、新しいサービスに対して慎重な消費者が多いと言われています。

特に、インフラのような生活に密接した分野では、現在のサービスを続けることの安心感や安定性が重視されがちです。

現状の契約から変更するためには「料金がより安くなる」「サービスが大幅に改善される」といった、現状を上回る明確なメリットが求められます。

カブアンドのように株が付与されるというユニークなメリットを提供しても、それが目に見える形で家計の節約や快適な生活に直結するかが鍵となるでしょう。

未公開株への不安感

株式市場で取引される公開株とは異なり、カブアンドで提供される株式は「未公開株」という性質上、すぐに売却して現金化することができません。

株価の成長も確約されたものではなく、流動性(売買のしやすさ)が低いために「持っていてもどうなるか分からない」というリスクがつきまといます。

こうした不確定要素は、投資経験の少ない日本人にとって心理的なハードルになる可能性があります。

未公開株に投資するリスクについての知識が普及していない中で、投資に不安を感じる層には特に慎重な姿勢が見られるでしょう。

普及のための課題

カブアンドがより多くの人に支持されるためには、料金が割安であるかの見せ方や、株付与のメリットを直感的に理解してもらう工夫が求められます。

例えば、未公開株であってもその成長性や、上場予定などの将来展望を具体的に示すことで、安心感を与える方法が考えられるでしょう。

さらに、料金面での実質的なメリットや、付加価値サービスを提供することも普及促進には不可欠です。

投資教育の重要性

加えて、未公開株や株式投資に対する一般的なリテラシーが必要です。

カブアンドが「資産形成」という新しい価値を提供しようとしているのであれば、サービスを提供するだけでなく、未公開株のリスクとリターンのバランスについての教育やサポートも重要になります。

日本では、まだまだ投資が生活の一部となっているとは言いがたいため、投資経験の少ない消費者を巻き込むための教育的アプローチが普及の鍵を握るでしょう。

このように、日本の消費者心理と投資知識の状況を踏まえると、カブアンドがインフラサービスの乗り換え促進に成功するには「わかりやすさ」や「安定したリターン」を打ち出すことが求められます。

4. カブアンドのメリットとデメリット

カブアンドは、生活インフラを契約することで未公開株を得られるというユニークな仕組みで注目を集めていますが、その一方で慎重に検討すべき点も多くあります。

ここでは、カブアンドの主なメリットとデメリットについて解説し、どのようなユーザーにとって最適なサービスであるかを考察します。

カブアンドのメリット

  • 1. 資産形成の新しい手段としての魅力:カブアンドの最大の利点は、生活インフラを利用するだけで株式がもらえ、資産形成につながる可能性がある点です。未公開株であっても、企業の成長次第では今後の上場や株価上昇が見込まれるため、インフラ支出が「単なる消費」ではなく「投資」としての価値を持つかもしれません。
  • 2. 生活インフラの一元化と利便性:カブアンドは電気、ガス、モバイル通信、インターネット、ウォーターサーバーなど、生活インフラの多くを一つのプラットフォームで提供しています。これにより、各種インフラを一括で契約・管理でき、利用者は複数のプロバイダーと契約する手間を省けるため、利便性の向上が期待できます。
  • 3. 投資リテラシーの向上と社会的意義:株を保有することで「株主」としての立場を実感し、企業成長を身近に感じる体験は、投資リテラシーの向上にもつながります。特に日本では投資未経験者が多いため、生活の一部として株式を所有する機会が増えれば、長期的に資産運用や金融リテラシーの向上にも貢献する可能性があります。

カブアンドのデメリット

  • 1. 未公開株のリスクと流動性の低さ:カブアンドが提供する株は未公開株であるため、自由に売買できず現金化が難しい点がデメリットです。上場予定が不透明な場合、将来的にどれほどの価値を持つかは予測が難しく、特に急な資金が必要になった際には不便と感じる可能性があります。これは、流動性のある株式や現金と異なり、長期的な資産形成を目的とする人にのみ向いているリスクともいえるでしょう。
  • 2. 割高感のある料金体系:カブアンドは、他の一般的なインフラプロバイダーと比較すると、料金がやや高めであることが多いとされています。株式の付与があるとはいえ、短期的には出費が増える可能性があり、安価なインフラ契約を希望する層には向かない場合もあります。株価が伸びれば利益を享受できる可能性もありますが、あくまで投資リターンが得られるかどうかは不確実であるため、料金の割高感がネックになることもあります。
  • 3. 投資経験の少ないユーザーへの不安要素:株式投資を身近にする試みである一方、投資未経験のユーザーには株価変動や流動性リスクといった不安要素があるため、利用の敷居が高く感じられる可能性があります。特に未公開株の場合、株価の動向を予測する材料が乏しいため、投資初心者にとっては不透明感がストレスとなることも考えられます。

利用を検討する際のポイント

カブアンドは、株式付与という新しいインセンティブを取り入れたインフラサービスですが、リスクとリターンのバランスを理解し、自分のライフスタイルや資産形成の目標に合わせて検討することが重要です。

株式保有による資産形成の可能性を魅力と感じる方には良い選択肢ですが、短期的なコストの増加や株の不確実性を考慮して判断することが望ましいでしょう。

5 まとめ

カブアンドは、前澤友作氏が提案する新しいタイプのインフラサービスで、生活インフラの契約と資産形成を融合させたユニークなモデルです。

契約者は、電気やガス、通信といった日常生活に欠かせないサービスを利用しながら未公開株を受け取り、将来的に株価が上がれば利益を得る可能性がある点が大きな魅力です。

しかし、未公開株であるため流動性が低く、現金化の見通しが立てにくいリスクが伴います。

また、料金面では他のインフラプロバイダーと比較して割高になる可能性があるため、「株を持つ」という付加価値が実質的なメリットを上回るかどうかは慎重に考える必要があります。

株価の成長によっては、カブアンドに乗り換えたほうが長期的には得になる可能性もありますが、確実なリターンが得られるわけではありません。

カブアンドを利用するにあたっては、以下のポイントに注意すると良いでしょう:

  1. 長期的な視点での利用を検討
    カブアンドで得る株式は未公開株であるため、流動性リスクを考慮し、すぐに現金化を期待せず、資産形成の一環として長期的に保有する意識が必要です。
  2. 料金とリターンのバランス
    他のインフラと比較して料金が割高になる可能性があるため、カブアンドで得られるリターンをどの程度期待できるかを考慮し、料金とリターンのバランスを確認しましょう。
  3. 株価成長の不確実性を理解する
    株価の成長は保証されていないため、得られる株の価値が不確実である点を理解することが大切です。特に投資経験の少ない方にはリスクについての理解が不可欠です。

カブアンドは、日本人の現状維持志向やリスク回避の姿勢が障壁になる可能性もある一方、資産形成を身近にする革新的なサービスでもあります。

リスクとリターンを理解し、投資に関する知識を身に付けながら活用すれば、カブアンドは資産形成の新しい選択肢となるかもしれません。

将来のインフラサービスとしての展望に期待を寄せつつ、慎重に判断することが求められるサービスと言えるでしょう。

FAM8

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