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『マクドナルドの値上げに驚いた人が知らない真実』の記事の要約
日本マクドナルドは1月6日、約8割の商品・メニューを対象に1月16日から値上げすると発表した。 値上げ額は10円から150円。
2022年にも2度にわたって商品を10円から30円の幅で値上げしているため、消費者にとっては立て続けの価格上昇と映る。
私の知人は、平日65円という破格の値段で売られていたこともある2000年頃を思い出して、「ハンバーガーの価格が3倍近くになってしまった」とコメントしていた。
さらにいまは落ち着いたとはいえ、一時は歴史的な水準まで円安が進行した為替の影響もある。
マクドナルドの値上げについても消費者は「まったく意味がわからないし、理由がわからない」といったものではなく「理由はわかるけど、残念だな」と反応しているように見える。
前年比で見て、1割以上アップしているチェーンは珍しくない。
低価格を売りにしてきた店舗は消費者離れが起きる可能性があるからだ。
全体が大きく上がっているなか、ファストフードが値上げしたとしてもそれは当然と消費者には捉えられているようだ。
アメリカでは時期にもよるが、マクドナルドの商品・メニュー価格は前年比で10%超も上がっている。
消費者は期間限定の割引商品や、アプリなどを活用してクーポン等を利用している。
マクドナルドはマーケティングにも長け、BTSやトラヴィス・スコット、スウィーティーと組んだプロモーションは見事だった。
マクドナルドは2022年3月14日と、2022年9月30日に値上げをしている。
上記の数値では表現されていないが、値上げ直後の月次を見ても、既存店が売上高・客数・客単価のどれも前年同月比でマイナスになっていない。
その都度メディアは値上げを憂い、さらにSNSなどではネガティブなコメントをよく見かける。
結果からいえば、値上げが続いているにもかかわらず、日本の消費者がマクドナルドを避ける理由になっていないと解釈するほかない。
マクドナルドが他社に先行して値上げをしたが、これは他社も追随する流れになると私は思う。
ところで、多くの論者が指摘することだが、日本のマクドナルドの場合は、値上げ後の価格も世界的に見て高いとはいえない。
アメリカではマクドナルドの各商品の価格が地域によって異なると知られている。
今回、日本マクドナルドが2023年1月16日に引き上げた後のビッグマックの価格は450円。
そう考えると今の現象は、日本の物価が世界基準の水準を追随している道半ばの状態とも思える。
他のフードチェーンがもっと価格を上げるようになったら、マクドナルドは魅力を保つだろう。
消費者にとってはやや厳しい言い方になるものの、企業経営側からすれば、値上げしても利益が最大化するのであれば値上げするべきだし、それが株主に報いることになるだろう。
さらに健全な経済のなかではまっとうな値上げは認められるべきであり、それによって賃上げにつなげていくべきではないだろうかと私は思う。
この1年はマクドナルドが値上げしても売上高等は減少しなかった。
今回も売上高がマイナスにならない、とは言い切れず、動向を注視したい。
(元記事の出典:東洋経済オンライン)