花組トップお披露目『エンジェリック・ライ』でチケット余剰が発生? その理由は?
(出典 kageki.hankyu.co.jp)

宝塚歌劇団の新生花組トップスター、永久輝せあさんのお披露目公演『エンジェリック・ライ』で、予想外の現象が起こっています。

それは、チケットの余剰です。

宝塚ファンにとって、トップスターのデビュー作や退団公演は通常、チケットが瞬く間に完売することが多いです。

しかし、今回の公演では多くのチケットが売れ残っており、ファンの間で議論が巻き起こっています。

この背景には様々な要因があると考えられます。

本記事では、チケット余剰が発生した理由をいくつかの観点から詳しく考察します。

永久輝せあさんの経歴と期待感

永久輝せあさんは、長らく宝塚の中でもVISAスポンサー付きの期待のスターとして注目を集めてきました。

特に、彼女は雪組出身であり、雪組時代からその実力は高く評価されてきました。

ダンスや歌、演技といった多彩な才能を持ち、端正な容姿でファンを魅了しています。

しかし、今回のチケット余剰問題の一因として、彼女に対する期待感の揺らぎが挙げられます。

永久輝さんは、花組トップとしてのデビューを果たしましたが、花組における生え抜きではないという点が一部のファンにとっては難点となっているようです。

過去にも、他組出身のトップスターが花組で就任した際に、「どこか異質感がある」と評価された例がありました。

例えば、雪組出身で花組トップとなった大浦みずきさんは成功を収めましたが、他の組出身者では一貫して花組に対する「違和感」を感じるファンもいるという指摘がなされています。

さらに、今回のトップ就任に際して、水美舞斗さんを押しのけての昇格という点も、ファンの一部でネガティブな感情を引き起こしているようです。

特に、水美さんは花組で長年愛されてきたスターであり、彼女のファンにとって、永久輝さんがトップになったことに複雑な思いを抱く人も少なくないようです。

これらの要素が重なり、永久輝せあさんのお披露目に対するファンの期待感が、思った以上に盛り上がりに欠けてしまったのかもしれません。

『エンジェリック・ライ』という作品自体の影響

もう一つの要因として、公演作品『エンジェリック・ライ』そのものの影響が考えられます。

『エンジェリック・ライ』は、天使や悪魔といったファンタジー世界を舞台にした作品で、ファンタジー要素の強いテーマが採用されています。

これは、宝塚の中でも好みが分かれるジャンルであり、観客層の一部がこのテーマに馴染みを持てなかった可能性があります。

ファンの間では「天使が主役」という設定に対する反応が微妙で、特に歴史的な大作や感情豊かなドラマが得意な宝塚において、このようなファンタジー色の強い作品は、やや人気が低い傾向があることが指摘されています。

過去の公演で、歴史的な背景やドラマ性が強い作品(『エリザベート』や『ベルサイユのばら』など)は高い評価を得る一方で、ファンタジーやSF要素を含む作品は売れ行きに苦労することが多いです。

今回の『エンジェリック・ライ』も、新作オリジナルであるため、ファンがどのような内容か予想できず、観劇をためらった可能性があります。

さらに、公演開始前の時点でチケットを購入することに慎重なファンも多かったことから、結果としてチケットの余剰が生じてしまったのかもしれません。

近年の宝塚ファンの動向と経済的背景

今回のチケット余剰問題には、宝塚歌劇団全体のファン層の動向や、経済的な背景も影響を与えています。

近年の宝塚では、連続するトップスターの退団公演が続き、それぞれの公演が高額なチケットでありながらも、ファンの熱狂的な支持によって完売が続いてきました。

退団公演は一大イベントであり、ファンにとっては何としてでも見逃せない特別な機会です。

しかし、この状況が続くと、当然ながらファンの経済的負担も増加します。

特に2023年から2024年にかけて、宝塚では複数のトップスターが退団し、ファンの財布の紐が固くなっているとされています。

こうした背景から、永久輝せあさんのお披露目公演に対しても、「今は少し様子を見よう」というファンが多く、結果としてチケットの余剰が生じている可能性があります。

通常であれば、トップスターのデビュー公演は非常に注目されるものですが、今回はファンの購買意欲が減退している状況です​。

また、花組は歴史的に「生え抜きのスター」がトップを務めることが多く、ファンの間では強い愛着を持つ傾向にあります。

今回、他組出身の永久輝さんがトップに就任したことも、長年の花組ファンにとっては少し距離感があるのかもしれません。

特に、水美舞斗さんという生え抜きのスターをトップに期待していたファンにとって、永久輝さんのトップ就任は複雑な心境を引き起こしていると考えられます。

チケットの今後の動向と公演の評判

現在のチケット余剰の状況は、必ずしも公演全体の失敗を意味するわけではありません。

実際、宝塚の公演では、口コミや評価が広がるにつれてチケットが売れるケースが少なくありません。

たとえば、2024年に行われた『ハイロー THE 戦国』でも、初期段階ではチケットが余っていたものの、最終的には好評を得て、チケットが売り切れ状態になったという前例があります。

今回の『エンジェリック・ライ』でも、公演が進むにつれて良い評判が広がる可能性が高いです。

永久輝せあさんの演技や、華やかな舞台装置、ショー『Jubilee』の迫力あるフィナーレなど、観客が公演後に良い口コミを発信し、再度チケットの需要が高まることが期待されます。

特に、宝塚ファンの間では舞台の「現場感」が重要視されており、公演の実際の内容が評価されれば、最終的にはチケットが完売することも十分にあり得ます。

まとめ:長期的な展望と花組の未来

今回の『エンジェリック・ライ』でのチケット余剰問題は、宝塚や花組全体の未来を懸念させるような大きな問題ではありません。

むしろ、新生花組が今後どのように成長し、観客を引きつけるかに注目が集まっています。

永久輝せあさんは、その実力と経験を生かして、今後さらなる大作に挑む可能性も高いです。

ファンの一部では、トップとしての存在感や魅力に期待を寄せる声も増えており、特に彼女がより大きな作品やドラマ性の強い演目に出演することで、人気が急上昇する可能性があります。

『エンジェリック・ライ』自体は好意的に受け入れられており、新しいファン層を取り込むチャンスとなるかもしれません。

宝塚の未来は、ファンの支持と公演内容の進化にかかっていますが、今回の公演がそのスタートとなることで、花組が今後さらに飛躍する可能性が十分にあるでしょう。

FAM8

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