円周率(π)は数学の基本的な定数として広く知られ、その無限に続く性質は多くの人にとって魅力的です。
しかし、「円周率が割り切れた」というデマがインターネット上で広まりました。
この記事では、このデマの出所と背景について詳しく解説します。
Contents
「円周率が割り切れた」というデマの起源
「円周率が割り切れた」というデマは、主にインターネット上のジョークサイトやフェイクニュースサイトから広まったものです。
特に有名なのは、虚構新聞というサイトが発表した「10桁で終了」という記事です。
このサイトは架空のニュースを扱うことで知られており、円周率に関するこのニュースもその一例です。
「虚構新聞」の影響
「虚構新聞」は、「千葉電波大学の研究グループが、円周率が10桁で割り切れることを発見した」と報じました。
円周率が割り切れたというデマの出所は、「虚構新聞」というウェブサイトからでした。
「虚構新聞」は、2004年にエイプリルフールの企画として始まった、あくまで嘘や虚構のニュースのみを扱うサイトです。
運営者のUK氏は、当初は気になるニュースを紹介するサイトを運営していましたが、エイプリルフールに嘘のニュースを書いたところ好評だったため、独立したサイトとして虚構新聞を立ち上げました。
「虚構新聞」は、デザインや文体を本物のニュースサイトと酷似させ、社会や政治、経済などのカテゴリに分けて嘘のニュースを掲載しています。
円周率が割り切れたというデマは、そのような虚構のニュースの一つでした。
UK氏は、時代の変化に合わせてサイトのレイアウトや記事の見出しなどを変えながら、20年間にわたり「虚構新聞」を運営してきました。
嘘を通じて社会を風刺することをコンセプトに、寛容の心を忘れず品位と責任を重んじるという綱領を掲げています。
これにより、多くの人がこの情報を信じ、インターネット上で広まりました。
しかし、これは完全に架空の話であり、科学的な根拠は全くありません。
他のデマの例
他にも、「円周率が761桁目で割り切れる」「15兆桁で割り切れる」といったデマもあります。
これらも同様に根拠のないものであり、インターネット上で広まったフェイクニュースです。
特に、15兆桁で割り切れるという話は、アメリカのニュースソースから信憑性があるように見せかけられたものです。
科学が証明する円周率の無限性:デマに惑わされないために!
円周率が無限小数であり、決して終わりがないことは科学的に証明されています。
円周率の無理数性
円周率は無理数であり、その小数展開は循環しない無限小数になります。
これは、円周率が無理数であることから導かれる性質です。
無理数とは、分数で表すことができない実数のことで、小数展開が無限に続きます。
円周率の超越性
さらに、円周率は超越数でもあります。
超越数とは、無理数のうち代数方程式の解として表すことができない数のことです。
円周率は無理数であるだけでなく、どのような代数方程式の解としても表せない特別な数なのです。
計算による検証
さらに、スーパーコンピュータを使った長桁の円周率計算によっても、円周率が無限小数であることが裏付けられています。
2021年には、約62兆8318億桁まで計算されていますが、その桁数は増え続けており、終わりが見えません。
このように実際の計算でも、円周率の無限性が確認されています。
したがって、円周率が無限小数であり終わりがないことは、数学的な証明と実際の計算の両面から科学的に裏付けられた事実なのです。
円周率は無理数であり、その小数展開は無限に続き、循環しないことが数学的に証明されています。
したがって、円周率が有限の桁数で割り切れることは不可能です。これは、多くの数学者によって確認されている基本的な事実です。
まとめ
「円周率が割り切れた」というデマは、主にジョークサイトやフェイクニュースから広まったものです。
科学的な事実として、円周率は無限に続く無理数であり、割り切れることはありません。
正しい情報を理解し、デマに惑わされないようにすることが重要です。