17年前に流行語となった「そんなの関係ねえ!」「はい!オッパッピー」お笑い芸人の小島よしおさん。
海パン一つで放ったギャグで一世を風靡しましたが、その後、彼の人気は急速に落ち、誰もが彼を“一発屋”として消えていくと感じていました。
しかし今、小島よしおさんの「お笑い子供向けライブ」が大きな話題を呼んでいることをご存じでしょうか?
この記事では、小島よしおさんが「子ども向け」に転身した理由や「子ども向けライブ」のイベントが話題となっている理由ついてまとめてみました。
どうぞ最後までお楽しみください。
Contents
「そんなの関係ねぇ」ネタで大ブレイクの20代から
小島よしおさんは20代の頃、「そんなの関係ねぇ」のネタで大ブレイクしました。
海パン×筋肉スタイルで「おっぱっぴー」と叫ぶ姿は、当時の子どもたちを熱狂させました。
それから17年が経ち、現在はYouTubeチャンネル「おっぱっぴー小学校」のよしお先生として、子どもたちに楽しく勉強を教えています。
また、2011年から始めた子ども向けのお笑いライブは、年間150本以上もの公演を行う小島さんのライフワークとなりました。
イオンモールなどを会場に開催される小島よしおさんのイベントが大きな話題となっています。
小島よしおさん自身のSNSで、盛り上がりを見せる「コール&レスポンス」が投稿されています。
お笑い芸人の中でも、子どもにターゲットを絞った小島さんのアプローチは、ある種「型破り」です。
その背景にあった芸人ならではの悩みや、子どもの心をつかむための試行錯誤、そしてそれにより広げてきたキャリアについても興味深いです。
なぜ、小島よしおさんは、子供向けイベントに転身したのでしょうか?
小島よしおさんが子供向けイベントに転身した理由は?
「消える」と言われて仕事が減っている焦りを感じていた・・
小島さんは2011年から子ども向けのライブを始め、年間150回以上も開催していたそうです。
小島よしおさんが子供向けイベントに転身した理由は、一体何が原因、理由だったのでしょうか?
小島よしおさんは、2008年頃から10年にわたり、週刊誌の「来年、消える芸人ランキング」で3年連続1位に選ばれたこともありました。
さらに、「占い師に聞いた来年消える芸人ランキング」「女子高生に聞いた〜」「子どもたちに聞いた〜」などでも1位になり、あらゆる方面から「消える」と言われていました。
そのため、小島よしおさんは、焦りを感じつつも必死に仕事をしていたと振り返っています。
また、様々なバラエティ番組に出演しながらも、常に実力不足を感じていたそうです。
特に『クイズ!ヘキサゴンII』(フジテレビ、2011年に終了)という番組では何もできず、無力感に苛まれていました。周囲はすばらしい先輩方ばかりで、自分の個性を生かして笑いを取ることが求められますが、それができませんでした。
無理やり前に出ては場をしのぐしかできなかったのだそうです。
そのため、自分の強みを見つけるために、様々な資格を取得しようと試みましたが、仕事に結びつくものはなかなか見つかりませんでした。
「子ども向けのお笑い」に舵(かじ)を切った理由
その理由について、以前マイナビ「MEETS CAREER」のインタビューにこう答えていました。
小島よしおさん(以下、小島):「そんなの関係ねぇ」がたまたま子どもたちにウケて、まねをしてくれたからそのイメージがついただけで、別に子ども向けのネタをやっていたわけではないんですよね。
当時の単独ライブは、どちらかというと「ファンや芸人仲間が笑えばいいや」というくらいの気持ちで臨んでいました。子どもからすると本当にワケが分からないネタばかりだったと思いますよ。
──なるほど。では、本格的に「子ども向けのお笑い」に舵(かじ)を切った理由は何だったのでしょうか?
小島:いつだったかの単独ライブで、上演中に関係者のお子さんが泣き出しちゃったことがあったんですよね。開演からまだ30分も経っていないのに「帰りたいよー」って。その時に、「うわ、俺、子ども泣かしちゃってんだ。やべえな」って思いました。
もちろん、その時は子どもウケを狙っていたわけではないのですが、ターゲットが違うとはいえ、笑わせにいって泣かれてしまったのは少なからずショックでしたね。
それ以来、単独ライブを続けるかどうか迷うようになって、先輩芸人の松田大輔さん(東京ダイナマイト)に相談したんです。そこで松田さんが「だったら、子ども向けに1回やってみたら?」と言ってくれたのが、大きなきっかけになりました。
2023-04-06マイナビ『“子どもの人気者”となった小島よしおの現在。「来年、消える芸人」からYouTuberへ華麗に転身』
小島よしおさんの焦りに対して、先輩芸人さんのアドバイスが大きなきっかけとなったようですね。
子どもをライブに連れて行くかどうかを判断するのは保護者
しかし、それは、見た目は簡単そうでも実際には困難な道のりだったそうです。
子どもには、単なる「子どもだまし」は通用しない・・大人と違って、子どもは、素直に反応するため、ある程度空気を読んで楽しもうとしてくれる大人とは違って、子どもは素直に反応します。
本当に面白いと思わなければ笑わないし反応もしないのです。
子どもにはオナラがウケるだろうと考え、『ドレミのうた』の替え歌で全部の音階をオナラの音に変えた歌を披露したところ、ウケたのは最初の「ド」だけで、2つ目以降のオナラがすべてウケないという地獄を味わったこともあったそうです。
全力でネタを始めると泣き出したりするし、一方的にネタをやるだけでは退屈してしまうので、声を出させたり、ボールを投げさせたり、風船を使ったり、飽きさせない工夫を繰り返してきました。
そして、演出の中には「ためになる」という要素も入れ、子どもに早起きを勧めるヒーローや、洋菓子より和菓子の方が血糖値が上がりにくいという知識を教えてくれる「あずキング」というキャラクターを演じるくふうもしてきました。
子どもの成長に役立つ要素を取り入れると、保護者を喜ばせることができます。
子どもをコンサートに連れて行くかどうかは、保護者の責任ですから、小島よしおさんは、そこにも配慮していました。
最後に‥小島よしおの本当の強みは小島という人間そのものの魅力!
小島よしおさんがパンツ一枚というほぼ裸の姿でギャグを行うのは、彼の全身全霊をかけた生き様の現れであると私は思っています。
小島よしおさんの生き方や表現には、人間への根源的な問いかけを含んだ深い哲学性のようなものを感じます。
小島よしおさんの「そんなの関係ねえ。」言う「関係」とは、「懸命に生きること」との関係ではないかと思うのです。
日常でちょっとしたミスを犯したりするとき、私たちは、落ち込んだり、または、無意識に照れ笑いをして自分が何とも思っていないようなふりをしようとしたりしてしまいます。
これはまさしく、日常のちょっとした出来事です。
しかし、そこに欺瞞(ぎまん)があり、自分自身をごまかすことは正しい態度ではないのかもしれません。
なぜなら、私たちは懸命に生きようとして毎日を努力し、その結果として失敗をするのだからです。
そう、失敗とは、懸命に毎日を生きている証明であって、決して些細なことではなく、大切な経験として、新しく前に進むエネルギーとしたいものです。
だから、失敗を笑い話に変えようとする態度に「そんなの関係ねぇ」と強い怒りを表すことにより、強く生きていこうとする人間の意志を讃え、正しく生きよという人間の弱さを克服しようとする克己心を小島よしおさんは全身で表現しているのだと感じてしまいます。
自分自身の新しい道を求めて、喘いできた彼自身の人生そのものです。
以前「AERAdot.」にイギリスオーディションチャレンジした「とにかく明るい安村」さんと一緒に小島さんについて以下のような話をされたのを、私は納得して読みました。
とにかく明るい安村がイギリスのオーディション番組に出演して話題になったとき、多くの日本人は、彼が文字通り「裸一貫」で世界を相手に勝負している姿に魂を揺さぶられたはずだ。
AERAdot.2023/12/02『「小島よしお」消える一発屋芸人と誰もが思って15年以上生き残れた深いワケ』
安村と同じく、小島も海パン一丁で人前に立つハダカ芸人であり、何も持たずに身一つで笑いをもぎ取ろうとするところに潔さがある。
芸人が作るネタのレベルは年々上がっていて、駆け出しの若手芸人でも卓越したセンスを感じさせる人はたくさんいる。しかし、「センス」だけでは「人間味」には勝てない。
小島よしおという芸人の本当の強みは、小島という人間そのものの魅力だ。それは、誰よりも誠実で、まっすぐで、がむしゃらであること。子ども向けの笑いを追求し続ける彼は、言語以前の次元で人の気持ちを動かす達人でもあるのだ。(お笑い評論家・ラリー遠田)
小島よしおさんの今後の活動に注目していきたいと思います。