【大阪「ともに学ぶ教育」】『「特別支援学級で半分以上の授業を」文科省通知が波紋、分断危ぶむ声も』についてTwitterの反応
障害のある子を隔離する制度に変わる?
大阪府枚方市の医療事務の女性(38)は6月、学校から配布されたプリントを見て驚いた。
「支援学級に在籍するという意味は、週の授業時数の半分以上を目安として、支援学級において授業を受けることであること」
小1と小2の息子が地元の市立小学校の特別支援学級に在籍している。小2の息子には発達障害があるが、1日1時間、支援学級で算数などの「取り出し」の授業を受けるほかは通常学級で過ごしている。
小1の息子は脳性まひで車いすを使用しており、国語と算数は支援学級だが、それ以外は通常学級。体育は、通常学級の授業に支援学級の担任が一緒に入る「入り込み」と呼ばれる形で受けている。「2人とも今は通常学級のクラスにいるのが当たり前で、自然に周りの子が助けてくれている。他県よりインクルーシブ教育が進んでいる状況だったのに、週の半分以上は支援学級で指導を受けるとなると、障害がある子を隔離するような制度に変わってしまうのではないか」と心配している。
枚方市教育委員会によると、同市の小中学校では長年、特別支援学級に在籍する児童生徒もできるだけ通常学級で学ぶ形を取ってきた。支援学級で指導を受ける授業時数は「週5時間以上」と規定し、それ以外は通常学級で、必要に応じて支援学級の担任が付き添って指導しているという。
ところが、文科省が4月に出した「特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について」の通知では、支援学級の児童生徒は「授業時数の半分以上」を支援学級で学ぶこととされた。枚方市教委はこの通知を受け、来年度から、支援学級に在籍する児童生徒は週15時間以上、支援学級で指導することとした。一方、特別な指導に必要な時数が週1~8時間の場合は、通常学級に在籍し、全校に設置する予定の「通級指導教室」で「通級指導」を利用するとしている。通常学級在籍の児童生徒に付き添いが必要な場合は、退職教員や大学生などの「特別支援教育支援員」をつけるという。
「大阪独自の教育の総括を」
この枚方市教委の新しい方針に保護者は不安を募らせている。
同市の主婦(42)の小1の娘には、感覚過敏や強い不安感、予定の変更が苦手といった特性がある。学習面での問題はないが、今年度は通常学級で「入り込み」の指導を受けるために支援学級に在籍することを選んだ。「支援学級の先生がいてくれたおかげでクラスになじむことができた。通常学級で入り込みの指導が受けられなくなると、娘は学校に行くのが不安になるかもしれない」と訴える。市教委は通常学級でも必要なら支援員をつけるというが「支援員が何人採用されるのか、どのくらいのスキルがあるのか全く不透明」と嘆く。
数年前に他市の小学校で支援員を務めた経験のある元教員の女性(37)によると、その市の場合、支援員は勤務時間が限られているため職員会議には入れず、「子どもの状況を共有するのが難しかった」という。「子どもの状況をよく分かっている支援学級の担任が付き添う方がいい」
この元教員の小3の娘も現在、枚方市内の小学校で1日1時間、支援学級で算数を教わるほか、国語や図工、苦手な音楽のリコーダーの授業などで「入り込み」の指導を受けている。娘は「みんなと一緒にやりたい」という思いが強いので、なるべく通常学級で過ごさせたいという思いがあるという。「市教委は『通常学級に在籍して通級指導を週に5時間受ければ、今と変わらない』というが、ただでさえ人手不足なのに、通級指導教室で全員が希望通りの時間数の指導を受けられるだけの教員数を確保できるのか。学校現場の現状とかけはなれていないか」と疑問視する。
枚方市内の中学校に勤務する男性教員によると、近年、支援学級に在籍する生徒が増えており、その障害の内容は自閉症スペクトラム(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)といった発達障害が圧倒的に多く、なるべく通常学級の中でのフォローを求める保護者がほとんど。実際に、支援学級の担任が通常学級に入り、対象の生徒に声をかけたり個別にサポートしたりすると、授業に参加できるケースが多いという。「週15時間以上は支援学級となると、国数理社英のほとんどを支援学級で受けることになるだろう。高校への進学にも影響があり、比較的学力のある子の家庭は悩むのではないか」
枚方市内の小学校で支援学級の担任を務める男性は「国の通知の『半分以上』という基準は時間数ありきで画一的。特別支援教育の理念に反する」と批判する。「現状でも手が足りているとは言えない状態。『入り込み』が必要なのにできないケースもあり、問題が全くないわけではない」としつつ、「大阪が何十年も独自で進めてきた特別支援教育を総括せずに、いきなり文科省に言われた通りに変えるというのはおかしい」と憤る。「そもそも通常学級でも子どもが20人なら、担任がフォローできるケースも多いだろう。もっと教育にお金を使ってほしい」
「インクルーシブ」を先取りしていた大阪
大阪府教委によると、府内のほとんどの自治体で長年、支援学級在籍の子が多くの時間を通常学級で学ぶ形が取られてきたという。なぜ大阪では、他の地域と違う独自の実践が続いてきたのか。インクルーシブ教育に詳しい原田琢也・金城学院大教授は「もともと大阪では部落解放運動がさかんで、学校でも人権・同和教育に力を入れてきた歴史がある。障害のある子とそれ以外の子で学ぶ場を分けると、全く違う世界で育っていくようになることに対する先生や保護者の疑問が大きかった」と背景を説明する。日本では障害の有無でクラスを分け、一部の授業や行事で「交流」する形が主流だが「世界的には、分けるのではなく一緒に育つことを重視する流れにある。大阪はそれを先取りするような実践をしてきた」と評価する。一方で、一人一人のニーズに合わせたピンポイントの支援がやりにくいという課題もあった。「通常学級にベースを置きつつ、個のニーズを充たすことが目指されるべきだが、必要に応じて『取り出し』があってもよいのではないか」
原田教授がフィールドワークで入っている府内の中学校では、支援学級在籍の生徒もほぼ全ての授業を通常学級で受けており、生徒たちは誰が支援学級在籍なのか分かっていない状態も珍しくないという。支援学級の担任は通常学級に入り、対象の生徒を中心に見ながら学級全体にかかわる。「支援学級で週の半数以上指導しないといけないとなると、『入り込み』の指導はできなくなるだろう。もし仮にそれを、教員免許を持たない支援員で補うとしても、教育の質を低下させてしまうことになりかねない」と指摘する。
文科省はなぜ、支援学級の児童生徒は「授業時数の半分以上」を支援学級で学ぶことを求める通知を出したのか。文科省特別支援教育課の宇野将至課長補佐は「『学級』は学校生活の単位として編成されるもの。年間を通じてそこで過ごすことを前提に教員を配置しており、一定の目安が必要」と説明する。昨年6月に改訂した「障害のある子供の教育支援の手引」でも「授業時数の半分以上」として自治体に周知してきたが、大阪府を含む一部の自治体を対象に実施した調査で、支援学級に在籍する児童生徒が大半の時間を通常学級で学び、障害の状態や特性に応じた指導を十分に受けていない事例があることが明らかになったことから、改めて通知を出すことになったという。
「支援学級で半数以上の時間を過ごす必要がないのであれば、通常学級に在籍する方が『ともに学ぶ』という観点に整合的だ」と宇野課長補佐はみる。
文科省は現在、通常学級に在籍しながら週に数回別室で指導を受ける「通級指導」の充実に力を入れる。ただ通級指導については、制度上は週8時間まで受けられるのにほとんどが週1~2時間だけだったり、指導内容があいまいだったりといった課題が専門家会議でも指摘されている。宇野課長補佐は「2026年度までに通級指導の担当教員を対象の子どもの人数に応じて配置する計画だ。同時に教員の資質向上も進める」と話す。
文科省の通知を受けて大阪府教委も5月、市町村教委に向けて同様の通知を出した。府教委の担当者は「ただ『ともに学ぶ』というだけでなく、一人一人の状況に合わせた指導の中身が問われているのであって、時間数ありきではない」とする。今のところ、通知を受けて具体的な変更案を発表しているのは枚方市だけだが、「これまでのやり方をもう一度見直す機会と捉え、それぞれの自治体が来年度に向けてアクションを起こす必要がある」と求めている。
出典: EduA
大阪の「ともに学ぶ教育」が変わる? 「特別支援学級で半分以上の授業を」文科省通知が波紋、分断危ぶむ声も …大阪府内で長年続いてきた、障害のある子もない子も通常学級でともに学ぶ教育の形が変わろうとしています。きっかけは文部科学省が今年4月に出した通知。特別… (出典:朝日新聞EduA) |
Msensei
@Msensei22大阪の「ともに学ぶ教育」が変わる? 「特別支援学級で半分以上の授業を」文科省通知が波紋、分断危ぶむ声も大阪が「インクルーシブ」教育の先進地域であることは知っていましたがなぜそれが改悪の方向へ進むことになったのかこの記… https://t.co/seuXrAOakx
おはじき
@tsumtsum3737これは今後、どうなるんだろう。これまでと変わるのであれば、支援学級にするのは不安…。大阪の「ともに学ぶ教育」が変わる? 「特別支援学級で半分以上の授業を」文科省通知が波紋、分断危ぶむ声も(朝日新聞EduA) https://t.co/tk9iIFYM8t
H.Yoshino
@HarueYoshino大阪の「ともに学ぶ教育」が変わる? 「特別支援学級で半分以上の授業を」文科省の通知が波紋 分断危ぶむ声も|学習と健康・成長|朝日新聞EduA https://t.co/64F5lEn3sy
TIR
@tir2010『支援員は職員会議には入れず』←学生も含まれ、教員じゃないから当然。『支援学級で半数以上の時間を過ごす必要がないのであれば、通常学級に在籍する方が『ともに学ぶ』に整合的』←同意> 大阪の「ともに学ぶ教育」が変わる「特別支援… https://t.co/fX6OUdN7VA
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@kyoto_mai大阪の「ともに学ぶ教育」が変わる? 「特別支援学級で半分以上の授業を」文科省通知が波紋、分断危ぶむ声も(朝日新聞EduA)#Yahooニュースhttps://t.co/ToKx0QVe04
tankazak.hiryu
@isayuki_hiryu大阪の「ともに学ぶ教育」が変わる? 「特別支援学級で半分以上の授業を」文科省の通知が波紋 分断危ぶむ声も https://t.co/AYMcFkhQlJ さて。通級指導教室の過酷さを知っているのだろうか?支援などほぼできず満床状態なのに。#教師のバトン
ふー
@makimakiringo8イチ保護者かつ現場にいても職員会議に出ない図書の人で、大阪しか知らなかったから、へぇ〜となりました。大阪の大阪の「ともに学ぶ教育」が変わる? 「特別支援学級で半分以上の授業を」文科省通知が波紋、分断危ぶむ声も(朝日新聞EduA)… https://t.co/AY8iExwPHt
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@asahi_edua大阪の「ともに学ぶ教育」が変わる?大阪では長年、障害のある子もない子も通常学級でともに学ぶ「#インクルーシブ教育」が続いてきました。文部科学省が4月、#特別支援学級 在籍の子どもは半分以上の授業を支援学級で学ぶよう求める通… https://t.co/S8A3H6KEcc
枚方市会議員 広瀬ひとみ💙💛
@kokohaha枚方市が来年度から進めようとしている「令和の支援教育」について紹介されています。#枚方市 #支援教育 #支援学級 →大阪の「ともに学ぶ教育」が変わる? 「特別支援学級で半分以上の授業を」文科省の通知が波紋 分断危ぶむ声も – 朝… https://t.co/hU5MLLutkE
いっちゃん
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受験マン@Vもし【大阪進研】
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