近年、インターネットを通じた個人情報の流出事件が増加しており、その被害は広範囲にわたります。
特に、ニコニコ生放送(ニコ生)において、複数の配信者(ニコ生主)の個人情報がハッカーによって流出した事件は、多くのユーザーに衝撃を与えました。
この記事では、ハッカーによって流出した個人情報をダウンロードすることが違法かどうかについて詳しく解説します。
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ハッキングの背景
今回のニコニコ生放送が標的となったサイバー攻撃事件では、ロシアを拠点とするハッカー集団「ブラックスーツ」が関与していることが明らかになっています。
このハッカー集団は、ランサムウェアを使用してKADOKAWAのシステムに侵入し、約1.5テラバイトのデータを暗号化し、人質に取ったとされています。
「ブラックスーツ」は、匿名性の高いダークウェブ上で犯行声明を出し、金銭を支払わない場合はデータを公開すると脅迫しました。
彼らは利用者や従業員の個人情報を含む大量のデータを盗んだと主張しています。
このハッカー集団は、ランサムウェア「Royal」と多くの部分でコードが一致していることから、以前猛威を振るった「Conti」とも関連があるとされています。
Contiはロシア政府を支援するという声明を出したことがあり、ブラックスーツも同様の背景を持つ可能性があります。
KADOKAWAは現在、外部専門機関と協力して詳細な調査を進めており、情報漏えいの規模や影響についての報告が期待されています。
情報流出の影響
個人情報が流出したニコ生主にとって、この事件は大きなダメージです。
流出した情報には、名前や住所、連絡先などが含まれており、これによりプライバシーの侵害や嫌がらせ、詐欺行為の被害に遭うリスクが高まります。
また、視聴者にとっても、信頼していた配信者の情報が悪用される可能性があるため、心理的な影響も大きいです。
個人情報保護法と違法ダウンロード
2024年7月1日、KADOKAWAがサイバー攻撃を受け、内部文書や一部のニコ生主の個人情報が流出したことが報じられました。
このような事件は、個人情報の保護に対する意識を高めるとともに、流出した情報をどのように扱うべきかという法的な問題を提起しています。
日本の個人情報保護法では、個人情報を不正に取得したり利用したりすることを禁止しています。
具体的には、偽りやその他の不正な手段で個人情報を取得することは違法とされています。
また、個人情報を不正に取得した場合、企業や個人には厳しい罰則が科される可能性があります。
さらに、2021年1月1日から施行された改正著作権法により、違法にインターネット上に掲載された著作物のダウンロードが違法化されました。
この法律は、音楽や映像だけでなく、すべての著作物に適用されるため、個人情報も含まれます。
例えば、不正に取得された個人情報をダウンロードすることは、これらの法律に違反する行為とみなされ、最大で懲役刑が科される可能性があります。
ニコ生主の個人情報をダウンロードすることの違法性
ニコ生主の個人情報がハッカーによって流出し、それをダウンロードする行為は、個人情報保護法および改正著作権法に違反する可能性が高いです。
具体的には、以下の点が問題となります。
- 不正取得の禁止:個人情報を不正な手段で取得することは違法です。ハッカーによって流出した情報をダウンロードする行為は、この規定に違反する可能性があります。
- 著作権法違反:違法にインターネット上に掲載された情報をダウンロードすることは、改正著作権法に違反します。個人情報もこの規定の対象となります。
法的リスクと対策
違法に流出した個人情報をダウンロードした場合、刑事罰や民事上の損害賠償請求を受ける可能性があります。
以下の対策を講じることが重要です。
- 流出情報のダウンロードを避ける:違法な情報のダウンロードは避け、正規の手段で情報を取得するようにしましょう。
- セキュリティ対策の強化:自身のアカウントやデバイスのセキュリティを強化し、個人情報の流出を防ぐ対策を講じることが重要です1。
まとめ
ハッカーによって流出したニコ生主の個人情報をダウンロードすることは、個人情報保護法および改正著作権法に違反する可能性が高く、法的リスクを伴います。
インターネット上での個人情報の取り扱いには十分注意し、違法行為に加担しないよう心掛けましょう。