2024年9月17日にリリースされたiOS18では、多くの新機能が追加されましたが、その中でも特に注目されているのが「パスワード」アプリです。
このアプリが突然ホーム画面に現れたことに驚いたユーザーも多いのではないでしょうか。
この記事では、この「パスワード」アプリについて詳しく解説し、どのように活用できるのかを紹介します。
Contents
1.「iOS18」にアップデートすると「パスワード」アプリが自動追加される現象とは?
iOS18が2024年9月にリリースされ、多くのiPhoneユーザーがホーム画面に突然「パスワード」という新しいアプリが追加されていることに気付きました。
このアプリは、アップデートの一環として自動的に追加されており、「勝手にインストールされた」と感じる人も多いでしょう。
しかし、この「パスワード」アプリは、全く新しいものではなく、iOS17以前から「設定」アプリ内に存在していた「パスワード」管理機能が独立した形で登場したものです。
この新アプリは、Appleのパスワード管理機能をより使いやすくし、ユーザーが日常的に使用する機能を一層見やすく、アクセスしやすくするために設計されています。
ホーム画面に表示されることで、設定アプリをわざわざ開いて探す手間が省けるのが大きな利点です。
このように、iOS18にアップデートすることで「パスワード」アプリが自動で追加されるのは、新機能へのアクセスをスムーズにするための設計の一部であり、ユーザーが知らない間に追加されたわけではないのです。
2. 「設定」アプリからの分離:新アプリの役割と利便性
「iOS18」では、これまで「設定」アプリ内にあった「パスワード」管理機能が独立し、新しい「パスワード」アプリとして登場しました。
これにより、ユーザーはホーム画面から直接パスワード管理にアクセスできるようになり、より迅速で便利な体験を得られます。
この変化は、パスワード管理がますます重要になる中、Appleがセキュリティと使い勝手を向上させるために行った大きな改善の一部です。
「パスワード」アプリの独立により、従来のiCloudキーチェーン機能に簡単にアクセスできるようになりました。
以前のiOSバージョンでは、パスワードを確認したり管理するためには「設定」アプリを開いて複数のメニューを経由する必要がありました。
しかし、今回のアップデートで、ホーム画面から1タップでアプリを起動し、すぐに自分のパスワードを管理できるという利便性が提供されています。
また、この分離によって、Appleはパスワード管理機能の視認性を高め、ユーザーがセキュリティ対策をより意識する機会を増やそうとしています。
多くの人がパスワード管理ツールを適切に使用していないことを踏まえ、Appleは「パスワード」アプリをホーム画面に配置することで、ユーザーが日常的に目にすることを狙っているのです。
3. 新アプリの機能解説:なぜこれが重要なのか?
「iOS18」の「パスワード」アプリは、従来のパスワード管理機能に加えて、新しい機能や使いやすさが向上しています。
これにより、セキュリティの面でも利便性の面でも、Appleユーザーにとって重要なツールとなっています。
以下は、その主な機能と改善点です。
1. パスワードとPasskeysの管理
「パスワード」アプリは、従来のパスワードだけでなく、Appleが推奨するPasskeys(パスキー)も管理します。
Passkeysは、パスワードよりも安全性が高く、フィッシング詐欺から守るために設計されています。
Face IDやTouch IDを使用してログインするため、ユーザーはパスワードを覚える必要がなく、さらに安全な環境が提供されます。
2. パスワードの共有と管理
iOS18では、パスワードを家族や信頼できる友人と安全に共有できる機能が追加されました。
パスワードを共有する際は、グループを作成し、必要なパスワードだけを選んで共有できます。
この機能により、特定のアカウント情報を他者と安全にやり取りできるため、共同でアカウントを利用する家族やチームにとって非常に便利です。
3. セキュリティの強化
「パスワード」アプリは、再利用されているパスワードや、セキュリティの弱いパスワードを検出し、変更するように通知します。
また、漏洩した可能性があるパスワードについても警告を発し、迅速に対応することができる点が特徴です。
これにより、ユーザーはセキュリティのリスクを軽減し、より安全なパスワード管理を実現できます。
4. クロスプラットフォーム対応
「パスワード」アプリはAppleデバイスだけでなく、Windows環境でも利用可能です。
iCloudを使用してデータが同期されるため、Windows PCでもApple IDに保存されたパスワードにアクセスでき、他のパスワード管理アプリと同等の利便性を持つようになりました。
これらの新機能により、Appleユーザーはより安全で効率的なパスワード管理ができるようになり、日常的にセキュリティを強化する手段が簡単に提供されています。
4. まとめ:「パスワード」アプリの今後の展望
「iOS18」の「パスワード」アプリの登場は、Appleがパスワード管理の未来を見据えて行った一連の進化の一部にすぎません。
Appleは、従来のパスワードを将来的に置き換えるための「Passkeys」技術を推進しています。
この技術は、より安全で簡単な認証方法を提供し、パスワードの複雑さや脆弱性に代わるものとして期待されています。
Passkeysは、従来のパスワードを使わずに、ユーザーのデバイス自体を認証のカギとして使用するシステムです。
これにより、従来のパスワードに伴うリスクや煩わしさを解消し、セキュリティを強化します。
さらに、パスワードを複数のサービスで再利用してしまうという一般的なセキュリティリスクも軽減します。
また、「パスワード」アプリは、他のApple製品とシームレスに統合されているだけでなく、Windows環境でも使用できるため、Appleユーザーだけでなく、クロスプラットフォームユーザーにとっても有用です。
これにより、Appleが目指すセキュリティと利便性の向上がさらに進展すると予測されます。
今後、Appleはこの「パスワード」アプリをさらに進化させ、ユーザーがより安全でシンプルなデジタルライフを送れるよう、機能の拡充やセキュリティの強化に努めるでしょう。
また、パスワードに依存しない未来を構築するための努力も続けていくと考えられます。
このように、「パスワード」アプリは、今後も私たちのデジタル生活を守る重要な役割を果たし続けることでしょう。