【松本人志裁判の行方】性加害疑惑・週刊文春の名誉毀損は成立するのか?
(出典 images-fe.ssl-images-amazon.com)

「週刊文春」(文藝春秋)による性加害疑惑の報道を受けて、ダウンタウン・松本人志さんが芸能活動を休止し、裁判で争うことを8日に発表しました。

14日に放送される『ワイドナショー』(フジテレビ系)では、この件について初めて言及するとの情報もあり、大きな注目を集めています。

この裁判の行方はどうなるのでしょうか?

松本人志さんは、「週刊文春」(文藝春秋)の名誉棄損を勝ち取ることができるのでしょうか?

これから始まるであろう松本人志さんの性加害疑惑裁判の行方について多方面から報道が出ていますのでまとめてみます。

菊間千乃氏:週刊文春の名誉毀損が成立しない条件とは?

元フジテレビアナウンサーであり、現在は弁護士として活動している菊間千乃氏が9日、テレビ朝日系の「モーニングショー」に出演しました。

この番組内で、司法の観点から週刊文春の名誉毀損が成立しない条件を指摘し、ダウンタウン松本人志の一連の報道について話しました。

コメンテーターの玉川徹氏は、「最終的には事実関係が争われると思いますが、週刊文春にとっては記事を書く際に信頼性があると判断したかどうかだけでなく、実際の事実関係も重要ですよね?」と菊間氏に質問しました。

これに対して、菊間氏は、「そうですね。真実性の証明、もしくは真実相当性って言うんですけど、具体的な行為の話になっていったときに、これに同意があったかどうかは本人同士の話で、そこを週刊文春が『わかってました』って事実を証明することはできないですよね」とコメントしました。

また、「そうすると取材者として書いた事実が真実だと信じるくらい相当の証拠とか証言があって、こういう事実を書きましたってことになれば、真実と信じるにつき相当でしたねっていうことで、『違法性が阻却される』と言うんですけど、それで名誉毀損が成立しないということになる」と、週刊文春が松本人志さんとの裁判で勝利する条件を解説しました。

「真実相当性がある」とは、真実であると信じるべき正当な理由や根拠があることをいいます。 つまり、公共性があり、公益を図る目的であって、その内容が真実、または真実だと信じるべき正当な理由や根拠があれば「名誉毀損罪」として処罰することが出来ないということです。

橋下徹氏:真実でなくても敗訴の場合あり!

大阪府知事や大阪市長を務めた弁護士の橋下徹氏が、自身のX(旧ツイッター)において女性に対して性的行為を強要したとする疑惑が週刊誌で報じられ、そのために活動休止を発表したお笑いコンビ、ダウンタウンの松本人志さんについて投稿しました。

「難しいところは、真実でなくても、『真実相当性』があれば名誉毀損にならない(敗訴する)場合があることなんです」と解説。「真実相当性とは取材をどれだけきっちりやっていたかがポイントになります。ですから、今後裁判でとことん闘うにしても、結果、週刊文春が取材をきっちりやっていたということになれば、たとえ事実無根でも名誉毀損にならない場合があり、その場合、事実無根なのに世間では事実があったと錯覚されるんです。ですから裁判でとことん闘うなら、どこまでが事実でどこからが事実でないのか社会に向けてきっちりと説明する方が得策です」と見解を示した。

産経新聞2024/1/9『橋下徹氏が松本人志さんの法的措置の見解投稿 「週刊誌は慰謝料払っても売れた方が得」』

と橋下徹さんは、週刊誌は慰謝料払っても売れた方が得であることや週刊文春が取材をきっちりやっていたということになれば、たとえ事実無根でも名誉毀損にならない場合があることを話されています。

プライバシー侵害なら認められる!?

その上で、元大阪府知事で弁護士の橋下徹さんは、名誉毀損は認められなくてもプライバシー侵害は認められるという考えを以下のように話しました。

「また近年は公人・準公人(芸能人を含む)であっても、プライバシーは保護される判決の傾向にあります。今回の件が名誉毀損の話だけでなく、プライバシーの側面もあるということに持ち込めば、その部分は上記の真実相当性の論理は適用されません。つまり名誉毀損は認められなくてもプライバシー侵害は認められるということになります」と見解をつづり「いずれにせよ、たとえ事実無根であっても、真実相当性があれば(取材の適切性があれば)名誉毀損にならないというところが、今後の裁判の攻防戦になると思います」

スポニチ2024/1/9『橋下徹氏 松本人志めぐり名誉毀損裁判の「難しいところ」を紹介 自身も上海電力報道で訴訟中』

億単位の賠償金も!?

タレントの松本人志さん(ダウンタウン)が、「週刊文春」による女性への問題行為の報道を受けて、芸能活動を休止することを8日に発表しました。

松本さんは、今後、文春の発行元との裁判に注力するそうですが、判決が確定するまでには数年かかる可能性があると考えられています。

もし松本さんの主張が裁判で認められた場合、松本さんは事実無根の報道によって活動を休止せざるを得ず、その間に得られるはずだった収入を得られなかったということになります。

松本さんが「週刊文春」に対して、休業補償のような意味で、その億単位に上ると推定される金額を請求することは可能なのでしょうか。

このことについて、Business Journalの報道で、弁護士の山岸純さんは・・・

「ポイントは芸能活動休止を“余儀なくされた”かどうかです。もし、名誉毀損が認められた場合、この後、損害との因果関係を判断するのですが、損害は“風が吹けば桶屋が儲かる”的に認められるものではなく、相当な範囲の因果関係までしか認められません。テレビ局など、松本さんに出演を依頼しているほうから『出演お断り』とされたのであれば、『記事によって出演料をもらえなくなった』という関係が成り立ちます。しかし、『騒ぎが収まるまで出演をやめる』という程度であれば、自らの判断となりますので因果関係は認められにくくなります。要するに、他事的な理由により、芸能活動休止を“余儀なくされた”かどうかが重要なわけです。
名誉毀損が認められるかどうかですが、報道されている『LINE履歴』だけでは難しいでしょう。被害者の具体的な証言が必要となりますので、おそらく『証人尋問』と、その証言の信用性が“勝負”になると思います。裁判所が証言の信用性を認め、かつ、松本さんが芸能活動休止を“余儀なくされた”と判断した場合、億単位の損害賠償も認められることでしょう」

Business Journal2024.01.09『松本人志さん休業で損失、「文春」が億単位の損害賠償の可能性も…名誉棄損なら』

と名誉棄損と認められた場合であっても、松本人志さん本人から活動休止をしたわけですから、相当な範囲の因果関係までの場K少額しか認められないと考えられます。

こちらの記事も合わせてご覧ください!
FAM8

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事
アーカイブ