年末に発表された週刊文春の芸能ゴシップが話題となりましたが、大手メディアのほとんどが報じない状況です。
15年前、ダウンタウンの松本人志さんが都内の高級ホテル、グランドハイアット東京の1泊30万円のスイートルームで、スピードワゴンの小沢一敬さん、放送作家の男性、そして小沢さんが集めた女性たちと飲み会を開いたとされています。
しかし、参加した女性たちが「ゲーム」と称して性行為を強要されたという証言があります。
全裸の松本さんには、「俺の子どもを産め!」と言われたとも報じられています。
松本人志さん所属の吉本興業は、その女性の告発に対し、「当該事実は一切なく、本件記事は本件タレントの社会的評価を著しく低下させ、その名誉を毀損するもの」と全面的に否定しました。「法的手続きを検討していく予定」と発表しましたが、実際に裁判を起こす可能性はあるのでしょうか?
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小沢一敬の所属事務所・ホリプロコムのコメント
スピードワゴンの小沢一敬さんが所属するホリプロコムは2023年12月27日、吉本興業に所属するダウンタウン・松本人志さんに関する週刊誌の報道について、「当方からのコメントはありません」と肯定も否定もしないコメントをしました。
このホリプロコムのコメントの反応から推測すると、完全に根拠のない告発とは考えにくいと感じてしまいます。
性行為の強要については別として、ホリプロコムや吉本興業が「事実は一切ない」と主張するなら、そして、グランドハイアットのスイートルームに集まったこと自体もなかったとまで言うなら、早急に仕事上のイメージを守るためにその部分にも言及するはずではないかと思うからです。
たとえ8年前のことだとしても、松本人志さんや小沢一敬さん本人に確認することは、そんなに時間を要することではないはずです。
その時点でのスケージュール等も当然会社の残っているはずですので、スケジュールを確認しましたが、松本と小沢が女性と当ホテルに集まったことはありませんと毅然とした態度で述べれば、この噂を即座に否定することができます。
もし飲み会が実際にあった場合であったとしても、「ホテルに集まりましたが、お酒を飲んで会話するだけで、それ以上のことはありませんでした」と具体的に否定することができます。
それができなかったのは、なぜでしょうか?
小沢所属のホリプロコムは話すことはないとのこと。やましいことがなければ釈明せよ。しないのは自白と同じ。#松本人志 #小沢一敬 https://t.co/inWGW3WUOn
— ある独居老人の気ままな生活 (@Hatione0603) January 4, 2024
業界でも有能な法務部を持つ吉本興業
約800人の芸能人と600人以上の従業員が所属している吉本興業は、弁護士が作った新しい法務組織を持つことで有名です。
廃校になった小学校にオフィスを構えている吉本興業東京本部法務部は、コンプライアンス・ガバナンス強化、契約法務を中心に日常的な法務相談や訴訟対応も担っているといいます。
そんな有能な法務部をもってしても、今回の「週間文春」による松本人志さんの性加害疑惑について対応するのは、大変に困難な事案だと推測します。
松本人志さんにとって全く身に覚えのない疑惑、告発であった場合は、簡単な手続きですまされそうですが、そうではない可能性が・・・事実に近い可能性があるのではないかと考えられるのです。
吉本興業が裁判しないのはなぜか
SNS等のインターネット上では、多くの人々が「ウソなら裁判で訴えるべき」と主張していますが、裁判での解決には長い時間がかかるため、人気のある芸能活動を管理する事務所としては迅速な対応手段とは言えません。
百田尚樹さんが、松本人志氏にまつわる文春砲について語っている。文春の記述が事実なら、非常におぞましい内容とのこと。私は真実を知るよしもないが、うやむやで終わらせるのではなく、民事・刑事を問わず、裁判できっちり決着を付けてもらいたい。 https://t.co/9IDiCZP94G
— てつや (@tezheya) December 30, 2023
2023年12月27日、松本さんが所属する吉本興業は、「松本さんに関する事実は一切なく、この記事は松本さんの評判を大きく傷つけ、名誉を傷つけるものです。今後、法的手続きを検討していく予定です」とコメントしています。
本来、イメージの損傷を最小限に抑えることを目指すはずの事務所が、法廷措置の「検討」に留まる理由は、事務所側も実際には困難な立場にあると思われます。
それを示すのが、前述の小沢一敬さんサイドのホリプロコムのノーコメントで、これは本人に事実確認中という可能性があることを含め、迅速に否定できない理由を持っていることを推測させます。
全く何もないのでしたら、「週刊文春」でも「告発者Aさん」でも、即座に名誉毀損で訴えておかしくなかったはずなのですが・・・。
これは、宝塚歌劇団のタカラジェンヌ生徒の自死事案に窮した宝塚幹部の様相、対応と酷似しています。
いずれにせよ、もし吉本興業や松本さん本人が名誉毀損として訴える要素があるなら、それについて法廷で事実関係が争われるため、傍観者はその結果を判断できるでしょう。
「ホテルでの集まりが実際にあったかどうか」、「小沢さんが女性をどのように誘ったか、または誘わなかったか」、「松本さんの発言を含む集まりで何が起こったのか」など、気になる点はたくさんありますが、もし女性の証言が事実なら、それは重大な性犯罪にもつながる可能性があります。
これからの動きを注視したいですね。
新しい時代を見る目と心が開いて
かつては、メディアが一斉に無視するような大物芸人のゴシップが世間で話題になることは少なかったと感じられますが、今では、旧統一教会やジャニーズ、宝塚歌劇団などと同様に旧来のようなタブーを作りにくくなっている時代になっていることは、悪いことではありません。
【宝塚は竜宮城】七海ひろきが語る時代から取り残された竜宮城歌劇団!https://t.co/EKDRNgNrTw#七海ひろき
— @mishmashdojo (@mishmash_dojo) December 30, 2023
元宝塚歌劇団の七海ひろきさんが、今の宝塚を「華やかな竜宮城」に例えて、「外の世界ではすごい速度で時が進んでいき、いろいろな価値観や考え方が変わっていて個人を尊重する時代になりました。私は退団した時に本当に浦島太郎のような気持ちで、世の中の代わりように驚きました。」と言うように、たとえ8年前それでまかりとおった事であろうと、もう見過ごせない時代に入ったのです。
松本人志さんにしてみれば、かつては多くの芸能人がしたであろうことを今になって・・・という思いが強いのではと推測しますが、時代を読む目と心が開いていなかったのではないかと、自戒を込めて考えさせられます。