最近、スーパーマーケットなどでオレンジジュースが品切れになっているという話があります。
朝食の定番であるオレンジジュースが手に入りにくくなっています。
キリンビバレッジは、「トロピカーナ 100% まるごと果実感 オレンジ」(900ミリリットル)を2023年6月から2カ月間休売する予定です。
また、アサヒ飲料も同年12月から「バヤリース オレンジ」(1500ミリリットル)の販売を休止し、再開は2024年春頃を予定しています。
一体なぜオレンジジュースが消えてきているのでしょうか。
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オレンジ果汁不足と円安!
オレンジ果汁不足と円安が珍しい状況を引き起こしています。
日本は、オレンジ果汁の輸入量の約60%をブラジルに依存しており(2022年現在)、最近ではブラジルでの天候不順などの影響で輸入量が減少しています。
2018年の輸入量が約7.9万キロリットルだったのに対し、2021年には約3.4万キロリットル、2022年には約4.4万キロリットルに減少しました。
ブラジルの産地の洪水と尿害、アメリカの産地の大型ハリケーン
2023年初めには、ブラジルの産地で洪水が発生し、病害も広がりました。
同様にアメリカの産地でも大型ハリケーンが発生し、オレンジの生産が大幅に減少しました。
オレンジジュースの原料である加工用オレンジの産地は、アメリカやブラジル、そしてスペインのバレンシアブランドなどです。
アメリカは、主にフロリダとカリフォルニアですが、フロリダは昨年のハリケーンイアンの影響で被害を受け、ブラジルは今年はじめからの多雨で不作になり、欧州も多雨で不作になっているようです。
こうした影響で世界中でオレンジジュースの価格が高騰しており、日本でもドールは4月から販売中止となり、トロピカーナも6月から販売中止、8月からは値上げして販売する予定です。
以前は、気軽に楽しめたオレンジジュースも、今では手が出しにくくなってしまいました。
このため、世界中でオレンジ果汁の取引価格が高騰しています。
オレンジも円安で買い負け!
さらに円安も影響し、2023年1月から9月のオレンジ果汁の平均輸入価格は1リットル当たり462円となり、前年同期比で49%上昇しました。
過去5年の平均輸入価格292円と比べると、50%以上も上回っています。
気候変動の影響や円安など、日本と世界の経済状況、国内の一次産業への関心などが記事で取り上げられています。
また、買い負けという言葉は、魚にも影響しています。
かつて日本で人気のあった銀ムツが消えたのも、買い負けの影響と言われています。
解決策は原料の調達先を多様化と国産化!
「オレンジ果汁の獲得のために、今は各社が世界中を探し回っているのではないか」(飲料企業関係者)。
2024/01/03東洋経済オンライン「定番のオレンジジュースで「休売」が相次ぐ理由」
2021年は、ブラジルからのオレンジ果汁の供給が減少し、メキシコ、イスラエル、スペインなどからの調達が増加しました。
2023年もブラジルからの調達が難しくなり、「各社が世界中を探し回ってオレンジ果汁を確保しているのではないか」という状況が続いています。
そこで、国内で生産される原料にも注目が集まっています。
これまでは、オレンジジュースに使用される果汁は、比較的安価な輸入品が主流でしたが、最近では国産みかん果汁の方が手に入りやすくなっています。
そのため、一部のメーカーは国産みかん果汁原料の使用を検討しています。
しかし、国内のみかん収穫量は減少しており、2022年の収穫量は2020年に比べて11%も減少しました。
また、みかんは生食用に優先的に使用されるため、加工用の果汁として余剰品が利用されることがあります。
実際、2018年から2021年にかけての国産温州みかんの収穫量のうち、果汁向けに加工された割合は、約3〜6%と非常に少ないです。
さらに、国内の柑橘産地も、高齢化などにより生産基盤が弱体化しており、供給力の確保が課題となっています。
まとめ
オレンジジュースはジュースの中でも大衆的だったのに、気安く飲めなくなってしまいました。
本当に何でも高くなって困りますね。
愛媛県では、温州みかん以外の柑橘品種の生産を増やしています。
地域全体で、八幡浜以外の地域での柑橘類の収穫量が増加しており、新しい柑橘ジュースの時代が訪れるかもしれません。
日本国内の農業を守っていくことが如何に大切かを身近に感じるオレンジジュースです。