2023年12月、ダイハツ工業株式会社で自動車の認証不正問題が明るみになりました。
30年以上にわたって組織的な不正が行われていたということで、かなり衝撃的でしたね…
そして今年1月9日からは、国土交通省が、不正のあった車種が安全や環境に関する基準を満たすかどうかを確認する試験を実施していました。
その結果、国土交通省は1月16日、特に悪質な不正を確認したとして、3車種の「型式指定」が取り消されることになりました。
この記事を読んでいる方は、以下のような疑問をお持ちではないでしょうか?
取り消される車種はどれ?「型式指定」取り消しの影響は?車検は通る?について現在わかっていることをまとめています。
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ダイハツ「型式指定」取り消しの対象車種は?
2024年1月16日、国土交通省は特に悪質な不正があることを確認し、以下の3つの車種の型式指定を取り消す方針を立てました。
- ダイハツ:「グランマックス」
- トヨタ :「タウンエース」
- マツダ :「ボンゴ」
「3車種」という表現がありますが、実際にはダイハツが開発・製造している「トヨタ・タウンエース」と、そのダイハツ版である「グランマックス」、さらにOEMで販売されているマツダの「ボンゴ」という車種が含まれています。
つまり、実質的には1車種(タウンエース系)が今回の対象となるということです。
ダイハツ「型式指定」取り消しでどうなる?過去には?
国土交通省によると、道路運送車両法に基づく「型式指定」の取り消しは、日野自動車、豊田自動織機に続き3例目となるようで、かなり稀な事例なようです。
「型式指定」とは、該当車両が保安基準を満たしていることを、書類で証明できることを意味します。
つまり、「型式指定」を受けている場合、通常の量産車は最初にナンバーをつける際、車検や排ガス検査などを受ける必要がありません。
逆に、今回のように型式指定が取り消されると、量産しても、個々の車に排ガス検査などを受けさせ、車検を通す必要があります。
車は通常、国土交通省の検査を経てナンバー登録されますが、その検査をメーカーが代行することを「型式指定」と呼びます。
国土交通省は、メーカーに信頼を置いていましたが、裏切られたため、大きなペナルティとなる「型式指定」の取り消しを行いました。
2017年3月3日、政府は自動車メーカーによる「型式指定」での不正を防止するため、道路運送車両法の改正案を閣議決定しました。
具体的には、燃費測定のデータ改ざんや不正な手段による型式指定を受けた場合には、型式の指定を取り消し、実質的に生産・販売できなくなります。
また、立入検査で虚偽報告が行われた場合には、現在の罰則をより厳しくし、1年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金またはこれらの併科(違反者)、2億円以下の罰金(法人)に罰則を強化し、厳しい罰金や懲役を科すこととしました。
つまり、「型式指定」の取り消しは、道路運送車両法に基づく最も重い行政処分なのです。
ダイハツ「型式指定」取り消しで車検は?
「型式指定」の取消しを受けた場合、現在対象となっている車種に乗っている方は、今後車検が通らなくなる可能性があると不安に感じるかもしれませんね。
「型式認定」の取り消しの意味は、あくまでも「今までダイハツ自動車が取得していた型式認定の権利が今後取り消される」という意味で、過去に販売済の車まで遡って型式認定が取り消されるという意味ではありません。
したがって、扱いとしては通常のリコールと同じで、基本的には「販売者であるダイハツが責任をもって問題点を改善する」以上のことはありません。
すでに販売された車は、道路運送車両法に基づいてリコール改修が行われ、車検に通るようになるでしょう。
ダイハツ「型式指定」取り消しで中古車への影響は?
「型式指定」の取り消しは、ダイハツがかつて持っていた型式指定の権利が今後無効になることを意味します。
つまり、過去に販売された車や現在走行中の車の「型式指定」が取り消されるわけではありません。
したがって、販売済みの3車種については通常のリコールと同様の対応が行われます。
道路運送車両法に基づいたリコール改修が行われ、車検に通るようになると予想されます。
中古車販売には影響が出る可能性がありますが、新車販売が終了するため、逆に中古車価格が上昇する可能性も考えられます。
まとめ
ダイハツの不正問題により、3つの車種が型式指定を取り消され、生産販売が停止されました。
この影響は広範囲に及んでいます・・当然ですが、今後の中古車市場や買取、下取りにも大きな影響が懸念されます。
「型式指定を受けていない自動車は、新規登録や継続車検を受けることができないため、中古車市場での流通量が減少する可能性があります。
また、型式指定を受けていない自動車は、安全性や環境性能が確保されていないという懸念もあるため、中古車として購入する際にも、敬遠される可能性が高いと考えられます。
これらのことから、ダイハツ製の中古車の流通量は、「型式指定」取り消しの影響で、減少する可能性があると考えられます。
なお、ダイハツ工業株式会社は、「型式指定取り消しの影響を最小限に抑えるため、対策を検討しているとしています。今後、どのような対策を講じるかについては、注目されます。