【すみれコード】天海祐希も苦悩した宝塚時代の「いじめ」という慣習！

阪急電鉄とJR福知山線が乗り入れる宝塚駅から大劇場へと続く散策路は通称「花のみち」と呼ばれ、その散策路が、公演がある日に多くのファンで賑わう理由には、宝塚独特の習慣があります。

楽屋入りする男役トップスターを熱心なファンたちがお見送りする『入り待ち』があるんです。

公演ごとにジャンパーやスカーフ、小物などを揃えて、統制の取れた動きで『行ってらっしゃい』と声をかけます。

トップスターは立ち止まって、笑顔で応えるのが恒例行事。公演中の入り待ちは、開演時間の2～3時間前なので、周辺には何時間も前から人が集まるんです。

宝塚には、そうした特異な習慣が伝統として受け継がれてきました。

もちろん、タカラジェンヌたちもそれを理解しています。

だからこそ、ステージを降りた後でも、タカラジェンヌとしての品格を重んじる暗黙のルール「すみれコード」が重要視されてきたのでしょう。

こうした宝塚の特異な習慣が伝統として受け継がれた「すみれコード」に苦しんできた天海祐希さんの記事がNEWSポストセブンから出ましたね。

そこで、天海祐希さんの宝塚時代を振り返りながら、今回の有愛きいさんの事件について振り返ってみたいと思います．

「すみれコード」とは？

宝塚には「すみれコード」という暗黙のルールがあります。

このルールは、夢の世界を守るために設けられたもので、放送コードのようなものです。

このコードは、「清く正しく美しく」という理念にそぐわない、劇団の品格を損なったり観客の夢を壊すような内容の演出を行わないし、求めないという暗黙の規範です。

品位に欠けると思われる発言もしてはいけないとされ、性に関することや、私生活を連想させるものも避けられています。舞台でも該当するセリフやシーンを避けて演出が行われます。

宝塚歌劇を象徴する花といえば「すみれ」です。

【旧ゆっくり宝塚解説】#10 宝塚の暗黙のルール・すみれコードを徹底解説 – YouTube

（出典 Youtube）

宝塚大劇場での上演前に流れたり、千秋楽の舞台などで出演者たちが歌ったりすることでもよく知られる「すみれの花咲く頃」という名曲に由来しています。

この曲の原曲は「白いライラックがまた咲いたら（Wenn der weiße Flieder wieder blüht）」という曲で、ライラックがすみれになっているように、それ以外の歌詞も大幅に変更されています。

「すみれコード」も時代と共に変化していくのかもしれませんが、タカラジェンヌの魅せ方や取り組む姿勢は、時代や価値観が変わろうとも「清く正しく美しく」から外れることはありません・・・それが宝塚です。

しかし、これは対外的に宝塚のイメージを保つためだけに、展開されてきたようにしか思えません。

宝ジェンヌの掟「すみれコード」を話します – YouTube

（出典 Youtube）

宝塚内部の様子は、「すみれコード」の品格ある理念にそぐわない、いじめや上下の厳しすぎる指導・・・はたまた隠蔽体質まで、劇団の品格なんてものじゃなくて、どこかの学校の「いじめ問題・事件」そのままです。

公立学校などのいじめ事案では、すぐに報道の対象となり、すぐに大きな問題に発展するのですが、この宝塚の「すみれコード」はより質が悪いのです。

なぜならば、この「すみれコード」には、退団しても宝塚内部のことは口にしないという暗黙のルールがあるからです。

そこに今回の天海祐希さんの宝塚時代の記事が出て話題になりました。

天海祐希さん「いじめ」の被害を語らなかった！

宝塚歌劇団は100年以上の歴史を持ち、数多くの名優が輩出してきました。

その中でも特に輝かしい存在といえば、天海祐希さんでしょう。

しかし、そんな彼女も宝塚で成功を収めるまでに、さまざまな困難や嫉妬と向き合わなければならなかったのだというのです。

「宝塚の最高傑作」と称され、数多くの舞台で主役を務めた天海祐希さんですが、一方で、時には「異端児」と見なされ、「いじめ」の被害に遭ったこともあったそうです。

しかしながら、天海祐希さん自身は公の場で宝塚時代についてあまり語らなかったのです・・・「すみれコード」の存在でしょうか。

「天海さんは、過去の苦労話をすることをあまり好まないんです。大変だったことや納得がいかなかったことでも、自分の中で整理がついていれば、わざわざ話さなくていいという考え方なんです。苦しい記憶であっても、いまとなっては自分を形作る思い出の1つだという思い。それだけ、宝塚時代を大事にしているのでしょう。だから、軽々に話したくないという気持ちが強いんだと思います」（演劇関係者）

女性セブン2023.11.06 『【全文公開】宝塚いじめ騒動、天海祐希も苦悩した“嫉妬の園”　トップ合格、異例の出世で悪質な噂を流されたことも』

 

天海祐希さんの光と影！

天海祐希さんは、1987年に宝塚歌劇団に入団し、1993年に史上最年少の25歳で月組トップスターに就任しました。

73期生として宝塚歌劇団に入団し、初舞台は雪組公演『宝塚をどり讃歌／サマルカンドの赤いばら』（主演：平みち）でした。

また、『サマルカンド〜』の新人公演では、バルフ王子（本役：鮎ゆうき、当時雪組新進の男役だった）役に配属され、初舞台の新人公演で目立つポジションの役を任され、その後、月組に異動しました。

1995年に退団し、翌年から女優として活動を始めました。

73期生同期42人の中で、天海祐希さんは、トップ合格し、宝塚での日々が始まりました。

音楽学校では上級生が本科生、下級生が予科生と呼ばれ、本科生は予科生の指導係となる。合格時の成績上位4名が委員になり、予科生に甘さが見られると委員が叱る役割を果たすのです。

宝塚音楽学校での天海祐希さんの生活は、厳しいもので、起床は4時半で、掃除の時間があり、日本舞踊、演劇、バレエ、タップの稽古が毎日続いたそうです。

また、1時間ひたすら行進するカリキュラムもあったり、出来が悪ければ、厳しい声が飛んだり、休みは日曜日だけだったといいます。

まあ、一昔前ですからそのぐらいの軍隊っぽい訓練や生活は、あり得たでしょう。

天海祐希さんは、いかにつらい思いをしても、黙々と日々の練習に耐えてきたといいます。

しかし、ある時、上級生たちに対して怒りを露わにしたことがあり、それはもはや指導とは言えない「いじめ」を目撃した時だったのです。

「同期の1人が、本科生からいじめを受けたことがあったんです。そのとき天海さんは“1人だけをいじめないでください”と憤慨した。理不尽な理由で同期が課せられたトイレ掃除を、“私も一緒にやります”と買って出たこともあったそうです。
そうした上下関係を見てきたからでしょうね。天海さんが本科生になったときには“夢を見せる存在である宝塚が、こんな規律に縛られていてはいけない”と、リーダーシップをとってルール改革をしたそうです」（前出・別の演劇関係者）

女性セブン2023.11.06 『【全文公開】宝塚いじめ騒動、天海祐希も苦悩した“嫉妬の園”　トップ合格、異例の出世で悪質な噂を流されたことも』

有愛きいさんと同じようないじめに遭っていた！

宝塚歌劇団の有愛きいさんが自殺した背景には、内部でのいじめがあったという噂が広がっています。

今年2月には、宙組所属の天彩峰里さんが後輩をヘアアイロンでやけどさせた「いじめ疑惑」が報じられ、被害者のAさんが有愛さんだったとされています。

有愛さんは、この火傷騒動の際には「大きな騒ぎになりたくない」という考え方を持っていました。

しかし、記事が公開されたことで、彼女が「週刊誌に情報を漏らした犯人」と噂されるようになってしまいました。

この事態は、彼女にとって二重の苦しみをもたらしました。

天海祐希さんも、月組に配属された後、わずか半年で入団7年目までのタカラジェンヌで主演に抜擢されたことが、羨望と嫉妬の視線が向けられ、「新人公演の主役を、カネで買った」という噂が流れ、公演で身につける衣装までなくされたことがあったといいます。

その後も、ステップアップするほど悪意ある噂が広まり、噂には「超豪華マンションに住んでいる」「ファンクラブの幹部を呼びつけて夜中に洗濯をさせていた」といったものもあったそうです。

天海祐希さん「いじめ」に対する願いを！

歌劇団が発行する月刊誌『歌劇』（1995年2月号）に、天海はコラムを寄せています。

彼女は「現在、気になっていることを書いてほしい」という依頼に応え、1994年11月末にいじめを苦に自殺した男子中学生について取り上げました。

《最近、いじめを苦にした自殺が多い事に心が痛んでならない。きっと、その毎日の中では、小さな心で解決しきれなかったこともあったでしょうね……。（中略）人が大勢いれば、全員が同じという事はないし、立場の弱い人もいれば強い人もいる。だから少しでも経験をつんでいる人がそうでない人を助けてあげられる世の中になればいいなあと思います》

女性セブン2023.11.06 『【全文公開】宝塚いじめ騒動、天海祐希も苦悩した“嫉妬の園”　トップ合格、異例の出世で悪質な噂を流されたことも』

 

宝塚入団までの天海祐希さん

天海祐希さんは、東京の下町で生まれ、中学生の頃から周囲の注目を集める長身でしたが、当時は、その身長がコンプレックスだったのだそうです。

しかし、ある教師から「宝塚にいけば、あなたのその身長が生かせるわよ」と言われ、タカラジェンヌという未来を夢見るようになりました。

彼女は、幼少からバレエや日本舞踊、歌の英才教育を受けたわけではなく、高校1年生の時にバレエを始めました。

高1の冬には、宝塚音楽学校を受験する準備が整っていたのですが、バレエ講師に「合格はする。でもいまの技術では入学してから苦労する」と止められ、受験を1年先送りしました。

その間、彼女は、モデル業に傾きかけたのですが、両親の説得もあり、高校2年生の冬に満を持して音楽学校を受験し、18倍という競争率をくぐり抜けて見事に合格しました・・しかもトップで合格したのです。

彼女の長身は、後にタカラジェンヌとしての大成を支えることになったそうです。