大谷翔平選手の元通訳である水原一平容疑者が、銀行詐欺罪と納税詐欺罪の2つの罪状に関して司法取引に応じたと、AP通信などが8日(日本時間9日)報じられましたねえ。
銀行詐欺罪の最高刑は30年の禁錮であり、一方でうその申告による納税詐欺の最高刑は3年の禁錮となるそうで、両罪を合わせた最高刑は「懲役33年」となるのだそうです。
最高刑「懲役33年」がトレンド入りするほど話題になりました。
しかし、司法取引によって量刑が軽減される見通しです。
この場合どのくらいの量刑になるのかも、憶測がさまざまです。
ここでは、それらの情報から、水原一平容疑者刑期は、どのくらいの量刑になるのかを考察してみます。
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水原一平容疑者、銀行詐欺と納税詐欺を認める:司法取引で量刑軽減へ
2024年5月14日日、アメリカ・ロサンゼルスにおいて、大谷翔平選手の元通訳である水原一平容疑者が、銀行詐欺と納税詐欺の罪状を認める罪状認否が行われます。(※今月9日に予定されていた水原元通訳の罪状認否の手続きが14日に延期されました。)
水原容疑者は、大谷選手の口座から約26億4000万円を不正に送金したとして、銀行詐欺に問われていました。
また、違法なギャンブルで得た利益を申告せずに脱税したとして、納税詐欺にも問われていました。
水原容疑者が自分の容疑を認めるか否かは、裁判官によって確認されます。
その際には、「他人に脅されていないか」「本当に自由意思であるか」という点が確認されます。
容疑を認める場合、陪審員による裁判は行われず、権利や義務に関する重要な段階となります。
罪状認否の手続きでは、水原容疑者は両方の罪状を認め、司法取引に応じる意思を示しました。
司法取引とは、被告側が罪状を認める代わりに、検察側が量刑を軽減することを約束する制度です。
水原容疑者は、司法取引により、懲役30年を超える可能性があった刑期が大幅に短縮されると見込まれています。
水原一平容疑者、米国では珍しいケースと国際弁護士
17年の国際弁護士である吉田大氏が、2024年5月6日にテレビ朝日系列の「羽鳥慎一モーニングショー」に出演し、ドジャースの大谷翔平選手の口座から違法ブックメーカーに1600万ドル(約24億円)を不正に送金したとして追訴された元通訳の水原一平容疑者について、現地当局のガイドラインに沿って予想される量刑を解説しました。
現段階で想定される量刑について、国際弁護士の吉田大氏は・・・
「今回は非常にユニークな点がある。犯罪が銀行詐欺1本にしぼられているが、通常は銀行詐欺は1本ではなく、電信詐欺、郵便詐欺のような合わせ技を(当局は)打ってくるが、今回は1本。ほかに参考にできる判例がない」
2024年5月6日 日刊スポーツ『水原一平容疑者の量刑、容疑認めれば「4年3カ月~5年3カ月」と国際弁護士推測 9日罪状認否』
と、米国では、珍しいケースであるということに触れました。
そして、量刑について想定できる「連邦量刑ガイドライン」というものが存在するのだそうです。
アメリカ「連邦量刑ガイドライン」とは?
アメリカの量刑ガイドラインは、犯罪に対する刑罰の基準を定めたもので、公平かつ一貫性のある判決を目指すために設けられています。
これらのガイドラインは、犯罪の重さや犯罪者の過去の犯罪歴など、さまざまな要因を考慮して量刑を決定する際の枠組みを提供します。
「連邦量刑ガイドライン」には、特定の犯罪に対して推奨される刑期の範囲が示されており、裁判官はこれに従って刑を定めることが一般的ですが、特殊な事情がある場合にはこれを逸脱することも可能です。
このシステムの目的は、全国での量刑の一貫性を保ちつつ、裁判官に一定の裁量を与えることにあります。
「連邦量刑ガイドライン」では、犯罪の重大性や犯罪者の過去の犯罪歴などに基づいて、量刑ポイントというシステムを用いています。
犯罪の重大性に応じてポイントが加算され、犯罪者の過去の犯罪歴がある場合にはさらにポイントが加算されます。
これらのポイントの合計によって、推奨される刑罰の範囲が決定されます。
量刑ポイントが高いほど、推奨される刑期も長くなります。
このシステムは、裁判所が一貫性のある判決を下すためのガイドラインを提供し、量刑の公平性と予測可能性を高めることを目的としています。
しかし、このガイドラインには批判もあり、特に過剰な量刑や不公平が生じることが指摘されています。
容疑認めれば「4年3カ月~5年3カ月」と国際弁護士推測
国際弁護士の吉田大氏は、水原一平容疑者の場合、量刑について想定できる「連邦量刑ガイドライン」のガイドラインに従って、どれくらいの量刑になるかを推測されました。
吉田氏は・・・
- プラス7:銀行詐欺は非常に重い罪なので、ここで7ポイント入る。
- プラス20:被害額も日本円で20億円以上で、ここで20ポイントが追加される。
- プラス2:通訳としての信頼を裏切ったことで2ポイントが追加される
- マイナス3:一方で「迅速に責任を受け入れ、当局にむだな手間をとらせなかった場合は、最大でマイナス3ポイント。
- マイナス2:初犯といわれているので、2ポイントマイナス。
合計プラス24ポイント!
合計24ポイント・・・この「連邦量刑ガイドライン」の表に基づくと、4年3カ月から5年3カ月が、ひとつの目安になる。有罪と認めた場合はそうなる可能性がある!
と述べました。
一方、もし認めなかった場合は、「24ポイントのうち(当局に無駄な手間をかけさせなかったという)マイナス3ポイントがなくなり、27ポイントになる」としました。
その場合は「5年10カ月から7年3カ月という刑罰になる。ガイドライン上でそのような規定になっている」と指摘しました。
まとめ
今月9日に予定されていた水原元通訳の罪状認否の手続きが14日に延期されましたが、さて、吉田大国際弁護士の推測された通りになるのでしょうか?
最高懲役33年が5年程度になるなんて、なかなか理解できないのですが、経過を見守りたいと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。