宝塚歌劇団に所属する有愛きいさん(享年25)が亡くなり、遺族側が上級生からのいじめなどが原因だったとして歌劇団側に謝罪と補償を求めている問題で、遺族側の弁護士は28日記者会見を行い、歌劇団側が去年11月の調査報告書で確認できなかったとされていたいじめがあったことを認め、遺族側に謝罪したことを明らかにしました。
そして、パワハラに関与した上級生らの謝罪は丁寧に行われたのでしょうか?
現在、公表されている上級生らの謝罪についてまとめてみます。
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パワハラに関与した6人から謝罪文!
2023年9月、宝塚歌劇団の宙組に所属していた有愛きいさんが兵庫県宝塚市で亡くなった件について、歌劇団は2023年11月、長時間の活動などで精神的な負担があった可能性は否定できないとしつつも、いじめやパワハラは確認できなかったとする調査報告書の内容を公表しました。
これに対し、遺族側は劇団幹部や先輩からパワハラに当たる行為があったと主張し、歌劇団側に謝罪と補償を求め、両者が協議を進めてきました。
その結果、歌劇団を運営する阪急電鉄の親会社、阪急阪神ホールディングスは22024年3月28日午後4時から大阪府内で記者会見を開き、遺族側と合意書を締結したことを明らかにしました。
劇団に対してパワハラの認定や謝罪を求めていた遺族側も会見しました。
その中で、遺族側代理人と劇団側とが合意書を結び、14項目のパワハラがあったことを認め、劇団側が謝罪したことを明らかにしました。
また、有愛きいさんへのパワハラに関与した関係者は「少なくとも10人」で、そのうち6人から謝罪文が提出されたとのことです。
遺族側の代理人によると、パワハラに関与したのは、宙組の幹部上級生4人と上級生3人、さらに劇団のプロデューサー2人と演出担当者1人の合計10人だという。
そのうち遺族側に謝罪文を渡したのは、幹部上級生2人、上級生1人、プロデューサー2人、演出担当者1人の合計6人だそうです。
また、女性が望んでいないのにヘアアイロンで髪を巻こうとして額にやけどを負わせた幹部上級生については、劇団側の代理人は、きょうの合意文書締結の場面には間に合わなかったが、謝罪文を提出予定だと説明したそうです。
幹部上級生4人のうち2人謝罪!2人は拒否?芹香斗亜と松風輝はどちら?
この日、パワハラ行為を行っていた10人のうち「6人」が遺族に謝罪文を出したとし、「連名ではなく、それぞれ個別で6通受け取った。直筆で書かれたものもあった。謝罪文を出していない人(=4人)のうち、今日の提出が間に合わなかった1名からも出る予定と聞いている。他の人(=3人)は提出しないものと受け止めている」と明かしました。
幹部上級生4人というと誰なのでしょう?
男約トップの芹香斗亜(せりかとあ)さん、宙組組長の松風輝(まつかぜあきら)さん、娘役の花菱りず(はなびしりず)さん、男役の優希しおん(ゆうきしおん)さん、さらに名の挙がった前の組長の寿つかさを加えると5人となりますが、彼女らから、毎日集団リンチのような厳しい叱責を受け、泣きながら謝り続けていたと、「週刊文春」が報じていました。
有愛きいさんが望んでいないのにヘアアイロンで髪を巻こうとして額にやけどを負わせた幹部上級生については、劇団側の代理人は、きょうの合意文書締結の場面には間に合わなかったが、謝罪文を提出予定だと説明したといいます。
この上級生は、天彩峰里(あまいろ みねり)さんでしょう。
それでは、現在は宙組ということを考えると、この4人は、芹香斗亜さん、松風輝さん、花菱りずさん、優希しおんさんとなりますが、この中の2人は謝罪文を渡し、また、2人は、依然拒否しているということになります。
この中のパワハラ上級生として名前の出た花菱りずさんは「改心」し、「有愛さんには心から謝りたいです」と話していたのだそうです。
これ以上は、明らかにされていませんが、これまでの状況を考えると、少し察しができますが、事実は不明です。
これ以上は、憶測になってしまいますので、新たな報道があれば追記したいと思います。
劇団員の母 訴え全文「複雑な思い 生きていてほしかったです」!
遺族側の弁護士が記者会見で、亡くなった劇団員の母親が現在の気持ちを綴った「訴え」を公表しました。
以下はその全文です。
(原文ママ)あの日から季節は幾度か変わりましたが、私たちの時間は止まったままです。娘を想わない日はありません。娘に会いたい、抱きしめたい、ここに居てくれたらと一日のうちの瞬間、瞬間に何度も思っています。そして、助けられなかったことを悔い、娘に謝っています。娘の夢をみて、目覚めた時の現実の虚しさに打ちのめされる、そんな朝を何度迎えたでしょうか。パワハラが無かったことを前提に作られた調査報告書は、こともあろうか劇団HPに掲載されました。過重労働については見解の違いはあったものの、ある程度認める内容でしたが、パワハラについては、全ては娘に非があった、そのための正当な範囲内での指導だった、パワハラは一切無かったという酷い内容でした。劇団が依頼した弁護士の聞き取りの場で、私たちが提出した娘の悲痛な言葉や証拠、そしてパワハラを実際に見聞きし、全てを話してくださった劇団員さんの数々の証言も全く反映されておらず、パワハラを行った側を擁護する内容でした。劇団側にHPでの掲載を止めるように繰り返し求めましたが、1ヶ月以上経ってからようやく抹消されました。調査報告書の内容を盾に「パワハラはありませんでした」と断言され、「証拠があるなら是非お見せいただきたい」と画面越しに挑んでこられた劇団の記者会見は、今でも鮮明に覚えています。それに対して、調査報告書の誤りを詳しく指摘し、私たちが入手した証拠や劇団員さんからの証言を、直接提出しましたが、劇団は、第三者委員会を設置することはなく、パワハラを行った人の意見のみを聞き、それを擁護しました。今更ながら、2年半前にヘアアイロンによる火傷があった時に泣き寝入りせず、声を上げれば良かった、昨年2月に劇団がヘアアイロンによる火傷の事実を「事実無根」と発表した時に抗議すれば良かったと、後悔してもしきれません。いずれにしても、事実は隠蔽され、娘の居場所は無くなっていたかもしれません。けれど、声をあげておけば、娘の命は救えていたはずです。阪急阪神ホールディングス、宝塚歌劇団の幹部の方々に、もしご自分の娘が同じことになったら、どうされたのかと、お尋ねしたいです。娘は決して弱かったわけでも、我慢が足りなかったわけでもありません。過酷な労働環境と、酷いパワハラの中でも、全力で、笑顔で舞台に立っていました。強く生きていました。私たちはそんな娘を誇りに思っています。娘の尊厳を守りたい一心で、今日まできました。事実を訴え続けた結果、当初は過重労働のみを認め、一切パワハラは無かったと主張された劇団が、多くのパワハラを認め、本日ようやく調印となりました。言葉では言い表せないたくさんの複雑な想いがあります。娘に会いたい、生きていてほしかったです。最後になりましたが、娘にお心を寄せてくださった方々に感謝を申し上げます。
2024年3月28日 NHK NEWS WEB『【動画・詳しく】宝塚歌劇団 25歳劇団員死亡 パワハラ認め謝罪』
最後に・・
半年が経過しても、遺族に謝罪していないことが問題です。
さらに、先輩が手紙で謝罪するという方法に違和感を覚えます。
遺族は許可したとのことですが、パワーハラスメントの10人中6人しか遺族に手紙を渡さなかったそうです。
これら何か釈然としないのは私だけではないでしょう・・新たな報道が待たれますが、宝塚歌劇団の秘密主義では、マスコミが嗅ぎつけるしか方法はなさそうです。