宝塚歌劇団に所属する有愛きいさんが亡くなった事件について、有愛きいさんの上級生の俳優や親会社である阪急阪神ホールディングスの角和夫会長らが、近く遺族に対して謝罪することを決定したことが明らかになりました。
ハラスメントの事実認定に関する主張が異なっていたが、阪急側が譲歩した形となったようです。
今後、合意文書の締結に向けて詳細な協議が行われる見通しなのだそうです。
有愛きいさんのご遺族が納得されるような形で収束、合意できれば良いのですが・・・そんな心のこもった誠意ある謝罪が本当にできるのでしょうか?
みていきましょう。
宝塚歌劇団公演再開にために譲歩か?
これまで宝塚歌劇団は、2023年11月に宝塚側の弁護士による調査報告書を公表し、ハラスメントは確認できなかったとしたため遺族が反発していました。
歌劇団は、2023年12月に公式サイトから報告書を削除し、2024年1月にはハラスメントがあったこと自体は認めることにしましたが、遺族側が公表した15項目のハラスメントのうちどの部分を認めるかについては、明確な見解を明らかにぜず、曖昧な対応に終始していました。
遺族側は2月末の記者会見で、この「15項目のパワハラ指摘」のうち約半数が阪急側によって否定されたと主張していました。
具体的には、女性がヘアアイロンでやけどを負った件や、急死直前の上級生の叱責について、双方の認識に食い違いがあると指摘していたのです。
遺族側代理人の川人博弁護士は、阪急側が「上級生の主張をそのまま受け入れて守ろうとしている」と抗議していました。
しかし、宝塚歌劇団は、この件が収束ぜずには、公演が再開できる状況にないことがやっとこの期に及んで切実になってきたようです。
そして、2月27日の遺族側弁護士の会見において、遺族側が主張する上級生による15件のパワハラ行為について、劇団側が「多くの行為がパワハラに該当する」と認めたことが明らかになりました。
2月中の合意が望まれていましたが、叶わず、5月17日から開幕する予定だった宙組公演『FINAL FANTASY XVI(ファイナルファンタジー16)』の上演が取りやめになりました。
今公演は、芹香・春乃の宙組トップコンビにより、宝塚で5月17日~6月23日まで、東京宝塚劇場で7月13日~8月25日に上演予定でした。
これが、原作者として製作協力する株式会社スクウェア・エニックスとの合意が得られなかったのです。
さらに、こうした宝塚歌劇団の不誠実な対応が長引く中で、雪組の生徒である妹の一禾あおさんの訴えが明らかになりました。
一禾あおさんは、亡くなった姉の有愛きいさんが受けたパワハラについて、「悪質で強烈にひどい行為」と指摘し、「宝塚は治外法権ではなく、宝塚だから許されることなど一つもない」と批判しました。
このような経緯の中で、宝塚歌劇団は、以前公演を再開することができない状況が続いています。
そこで、宝塚歌劇団は、新年度を迎えるにあたって、遺族への譲歩をすることで、こと長く続いた悪い事態を早く収束させ、公演を再開したいのです。
芹香斗亜や松風輝らは謝罪を承諾したのか?
しかし、遺族側が求めていう大きなポイントは、有愛きいさんが亡くなる大きな要因と推測される上級生の謝罪が本当にあるのかということです。
報道題では、「宝塚、劇団上級生が遺族に謝罪へ 合意文書締結へ詰めの協議」(共同通信)とありますが、この報道も本文には上級生が謝罪するとは書いてはいない・・という指摘もあります。
また、宝塚の上級生が遺族に謝罪する方向に動いているとして・・・
- 上級生の具体的な人物や人数は不明ですが誰なのか?
- ヘアアイロンを使用したことは確定しており、他にも暴言や組長、トップとの関係があると考えられていますが、それら上級生全てなのか?
- 一部の上級生は謝罪を拒否していましたが、劇団側から謝罪を求められる流れで謝罪をするのか?
- 上級生は、どのような形で謝罪をするのか?
など様々な疑問が出てきます。
特に、謝罪を拒否していた上級生が、宝塚歌劇団の公演再開打破のために強制的に謝罪をさせられたり、形だけの謝罪になってはなりません。
有愛きいさんのご遺族が納得できる形で、誠意がある謝罪になってほしいと願いますが。
宝塚歌劇の舞台に立つタカラジェンヌを育成する宝塚音楽学校の第112期生の合格者40人が発表された本日、競争倍率は21世紀では最低と言われていますが、新しい生徒さんが、新たな希望を持って正しく成長できる場であってほしいと願います。
宝塚歌劇団の今後の対応を注視していきたいと思います。